二上山
縄文時代、弓矢の先端につけた石鏃(せきぞく)などの材料となった石に黒曜石がある。この石は長野県和田峠などの限られたところからしか産出しないにもかかわらず、その分布が広範囲にわたっているため、縄文時代にはかなり広い範囲で交易されていたことがわかる。同じような石にサヌカイトがある。讃岐石とも呼ばれ、産地としては香川県(讃岐国)白峰山があげられるが、入試では、大阪府と奈良県の県境にいある二上山のほうが出題されやすい。ちなみに、この類の石には、半透明の緑色をした硬玉(ひすい)もある。これは新潟県の姫川でしか産出しないが、勾玉(まがたま)などの装飾具の原材料として珍重され、遠い青森県の三内丸山遺跡や北海道まで、半径500km以上の広い範囲にわたって交易されていた。
出題例
大阪府と奈良県にまたがるサヌカイトの産地を漢字で記せ。
97年同志社大学(商)
解答:二上山
出題データ
95年同志社大(経)、96年立命館大(法)、97年西南学院大(法・神)、00年近畿大(法・商経)、01年青山学院大(法)、01年南山大学(外)