予備校で石黒の通年授業を受講している人のために、
40面ノートの覚え方や問題演習について説明します。
過去の偉人たちのやりかたも、あわせて参考にしてみましょう。
はじめに
1:授業で話を聞く
授業中はノートを取ることに必死で、話を聞くのがおろそかになりがちです。
このため、授業では乱雑にノートをとって後で清書する人もいます。
2:理解しながら覚える
ノートを見てどんな内容だったかを思い出しながら、暗記に取り組みましょう。
思い出せなかった場合は、教科書・参考書などを読んでください。
パワフルに用語を覚えるだけでは正誤問題が解けないだけでなく、
「類推して」解くべき問題に歯が立ちません。
3:問題を解く
覚えたものが本当に頭に残っているか、
ノートのコピーにチェックペンを引いたりして確かめましょう。
紙などで用語を隠しながら確認する原始的な方法でもいいと思います。
そして、入試でどう出題されるかを知るために問題集を解きましょう。
一問一答などでお茶を濁すのではなく、本物の入試問題を解いてください。
自分の覚えたものを、頭から引き出す回数が多ければ多いほど、
記憶は定着するものです。
しかし、赤本だけでは出題箇所がかたよります。
まんべんなく出題されている問題集にも取り組むべきです。
問題を解く時にリード文をきちんと読めば、
一段と理解が深まるという効果もあります。
40面ノート
いくつもの「まとめもの」を頭に残すことは効率が悪いので、
思い切って他の参考書・プリントなどは無視してしまいましょう。
合格に必要なデータは、すべてこのノートに入っているのですから。
残念なことに、毎年、学校の授業プリントや、
過去に受講した別の予備校の教材から脱却できない人がいます。しかし、
いろいろな「まとめ」に手を出すと、
それぞれの用語が「どこ」に書いてあったのかがあやふやになってしまいます。
場所を覚えているということは、「いつ」を覚えていることになり、
ひいては「流れ」を覚えていることにつながるのです。
それが40面ノートの強みです。
いろんなものを読みあさったり、覚えまくったりしながらも、
頭の中がきちんと整理できる人なんてほとんどいません。
日本史を効率良く学習することで、英語に力を割くことが合格の秘訣です。
板書は行数などもかなり気にして書いているので、
途中で空き行などは作らない方がよいと思います。
並んだ枠が同じ行数になっていた方がきれいじゃないですか。
自分自身によるオリジナルメモは、行間に書くのではなく、
下の方など注釈の形で書くのがよいと思います。
なぜならノートの基本部分は、できるだけシンプルであるべきだからです。
シンプルでなければ頭に残りません。
大量のメモでぐちゃぐちゃにしてしまっては本来の目的から外れてしまいます。
用語の説明は用語集にあるのですから、メモは簡素なものにとどめましょう。
メモを書きたい用語に「※1」などと印をつけて、下の余白に書いたり、
付箋紙(ポストイット)に書いて貼り付けておいたりすると良いでしょう。
というわけで、大きなA4サイズのノートを使うか、
B5サイズでも6㎜罫の35行ノートをお勧めします。
授業では最大31行書きます。
ノート覚え・復元
1:見出しを覚える
ノートを覚える時は、まず大きな流れをとらえることから始めましょう。
「大きな流れ」とは、要するにそのページ内の小見出し
(小タイトル=枠のタイトル)のことです。
1などの四角数字のタイトルも覚えましょう。
日本史オタクな生徒でこれができていない人を時々見かけます。
細かい用語にとらわれすぎて、肝心なことをおろそかにしないようにしてください。
2:ゴロで覚える
「更新世(=洪積世)→完新世(=沖積世)」などの、
なかば丸暗記的にわしづかんで覚える用語というのがあります。
これをゴロあわせを使って覚えていきましょう。
受験会場で混同しがちなものを確実に頭に残していきましょう。
ゴロはしゃべって覚えた方が定着率が高いです。
ゴロあわせの嫌いな人は……よくわかりません。努力してください。
ちなみに僕が作ったゴロあわせは、
『日本史でるとこ攻略法 改訂版』(文英堂)を見てください。
書いていないものは授業でできるだけ紹介します。
また、オリジナルゴロあわせでスゴイやつができたら
Facebookページで教えてください。
3:セットものを覚える
セットものとは、集落や墓の種類とか、代々の蘇我氏みたいな人名とか、
長屋王の変などの事件名とか、
場所は離れていてもシリーズで覚えるべき用語のことです。
近現代なら、条約名・組織名・法令名などですね。
緑やオレンジのチョークで書いていたり、ゴロがあるものが多いですが、
そうでないものもあるのでノートを見渡しながら見つけましょう。
こうした用語も、やはりわしづかんで覚えるべきです。
そうしておかないと、正誤問題でひっかけられます。
蛍光マーカーで印をつけておくといいかもしれませんね。
講義中も激しく指摘しているので、授業中にもチェックしましょう。
4:頻出用語を覚える
授業中に「でる」と言った用語をたどってください。
これらの用語を受験でミスしたら撃沈と思ってください。
ちなみに授業中に言った「でる」をメモしきれなかった場合は
『読むだけ日本史』(学研)に書いてあります。宣伝じみてすみません。
でも、「古代〜近世編」については、赤字部分を暗記・理解していれば、
たぶん偏差値60が出ると思います。
出題頻度に忠実に赤字指定をしておきましたから。
5:残りを覚える
白い大きな紙に、おおざっぱに復元してみましょう。
罫線など入っていない大きめの紙に書いておいた方が中身を書き込みやすいですね。
復元してみてほしいのは、ノートのすべてではなく、ワクのある部分です。
四角番号でまとめられている所は、
チェックペンをかけるなどして答えられればOKです。
まず、見出しと枠をラフに書きます。
次に、ノートを見ながら復元用紙に書き写しつつ、
ストーリーをぶつぶつしゃべってください。
この時、慣れない言葉は何度も声に発してみることが大切です。
声に出すことで言葉に慣れ、また耳で聞くことで聴力による記憶能力も利用する。
脳みそが小さい「脳みちょ」な人は、なんでもかんでも総動員して暗記に挑みましょう。
用語を覚えるときに文字を何度も書きなぐる人がいますが、
それはなるべく省略してください。
文字を頭の中にイメージするだけで十分な場合も多々あります。
とくに近現代は漢字に戸惑うことは少なくなっているので、
音で覚えていれば書けることが多いのです。
1面を覚えるのにかける時間を決めてから取り組む手もあります。
片面が30分くらいでしょうか。
今までどれくらい日本史に触れてきたかで、人によって時間は違いますが。
日本史初心者は授業中に差がつかないように、
予習として『読むだけ日本史』を読んでおくとよいでしょう。
もちろん、声に出して。そして、赤字に注目しながら。
6:くりかえしノート復元!
慣れてきたら「本気でノート復元」にチャレンジしてみましょう。
もう一度白い紙に枠・見出しを書きます。
そして今度はノートを見ずに、ストーリーをある程度思い出しながら、
白い紙に言葉を埋めていくんです。
この時に生きてくるのがシリーズ覚え・わしづかみ覚えをした用語たちです。
復元は何も上から順番にできなきゃいけないことはありません。
とびとびに書いていくのでも一向にかまわないんです。
むしろその方が全体を見渡している証拠にもなってよいほどです。
かなりねばって思い出してくださいね。
そして思い出せなかったところはノートの方に
付箋紙(ポストイット)を貼ったり、後で消せるマーカーなどをかけていおいてください。
次にこのページを見た時に、
まっさきに注目すべき場所がどこなのかわかるようにしておくのです。
弱点部分から引き上げていくのが受験の基本ですから。
そして、覚えにくいところは、写メールで待ち受け画像にしたり、
その部分を書いた紙をいろんなところにはるなんて作戦もありますよ。
ただし、いくら一生懸命覚えても忘れていってしまいます。
忘れない人なんて東大に受かるような人くらいです。
忘れてしまうことを嘆いていてはいけません。
だって、忘れる能力があるからこそ人間は生きていけるんじゃないですか。
すみません、人生訓たれました。
というわけで、忘れても忘れてもくり返し覚えるのみです。
1度目よりも2度目、2度目よりも3度目の暗記の方が、間違いなく短時間ですみます。
ゴロあわせで覚えたものや、頻出用語として覚えたものが頭に残っているといいですね。
情報整理術
問題集や赤本を解いた時にできなかった問題というのは、
自分が忘れてしまっていたか、ノートに存在しなかったかのどちらかです。
二度と間違えないように、忘れていた用語(ノートの中)に印をつけてもいいかもしれません。
(これは日本史の成績がなかなか伸びない人はやった方がいいと思います。)
また、ノートに存在しなかったものは、
出題頻度が低くて授業で扱わなかったものというわけですが、
せっかく出会った問題なのでノートにメモしておくのもいいでしょう。
日本史で高得点を取りたい人はこのメモが「秘密兵器」になります。
ちなみに、メモには「どの問題集の何ページにあったか」を、
自分で記号を作って書いておくと後で便利です。