上智大学
A.彫刻では木などの芯材に粘土を固定した塑像や,布の上に漆で塗り固めた乾漆像の技法が中心であったほか,金属製の作品にも見るべきものが多い
短文Aの文化に帰属する用語を2つ選びなさい。
(1)室生寺五重塔 (2)法隆寺夢殿 (3)性霊集 (4)帝紀 (5)類聚国史 (6)聖林寺十一面観音像 (7)定朝 (8)小野道風 (9)法隆寺金堂 (10)文章経国の思想
(2)(6)
08年(経済)・11年(法)・12年(経済)・14年(法)。
「塑像」や「乾漆像」から短文Aは天平文化とわかります。
そして語群を見渡すと、(2)の法隆寺夢殿がすぐに選べるでしょう。
勝敗の分かれ目は(6)の聖林寺十一面観音像です。
これは普通の大学ではめったに出題されません。
ところが上智大では、上記のように4回も出題されています。
賢い人は「消去法で解けばいいじゃないか」と思うかもしれませんね。
確かに残りの用語がわかれば正解にたどりつけます。
でも、(10)の「文章経国の思想」がネックです。
こちらもめったに出題されないDランク用語なのですよ。
上智大でも2007年に外国語学部で出題されていますが、
さすがに4回も出された聖林寺十一面観音像にはかないません。
ちなみに2002年の外国語学部では、この彫刻が「脱乾漆像か否か」まで正誤問題で問われました。
木心乾漆像なので誤りなんですけどね。
いやはやもう呆然とするしかない難問です。
上智大学
元興寺薬師如来像について,その形態が坐像か立像かそれ以外の像(半跏像・倚像など)かについて答えなさい。
立像
00年(外国)。07年(外国)では立像であることを正誤問題で出題。12年(経済)・14年(法)では弘仁・貞観文化の作品であることを出題。02年(外国)では寄木造でないことを正誤問題で出題。
これまた上智大以外ではめったに出題されない彫刻です。
上智大学の仏像好きにはすごいものがありますね。
もう笑うしかありませんが、ひとつ言えることは
「美術作品を学習する際には必ず図版を見よう」ということです。
各作品がどの文化に属するかなんてのは、当たり前のことです。
こうした文化作品の分類チェック教材としては、
CD教材『聴くだけ日本史−美術史編−』や『聴くだけ日本史−文学史編−』があります。
問題集『上智対策コンプリート・ミッション』とともにお薦めいたします。
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