『難関大用語集解』編集日記(3)

前回、『難関大用語集解』編集日記を書いてから、
すでに1カ月も経ってしまいました。
編集日記を書くくらいなら、原稿書けよ!
って自分につっこんでいるからです。
メール返信も簡単に返しづらいものは非常に遅れています。
すみません。

この質問もなかなか返信できずにいました。

<Kさん>
こんにちは、赤本のことで質問があります。先生がおっしゃっていたように6月から赤本を解きはじめたのですが、間違ったところ(特に正誤問題です)をどの程度までノートに書き写すかで悩んでいます。例えば「王権の祭祀を分担する氏族として中臣氏や忌部氏らがいた。」といったものなのですが、「忌部氏」がわからなかったのでノートに書き写そうかなと思って調べてみたら他にも「~氏」ってたくさんいたので、忌部氏だけ書く意味はあるのかな?と思いメールしました。ノートを覚えることのほうが重要だとも思いつつもなるべく効率的に拾いたいとも思います。説明が複雑になってしまいましたが、莫大な用語のなかから必要なものだけを自分の力だけで拾うのは不可能だと思いますのでアドバイスをいただけたら幸いです。

<石黒>
確かに判断に困るところでしょうね。
まず、本当にノートに載っていないかどうかを確認してくださいね。
でるとこサイトの「40面ノート検索」を使って調べるのが確実です。
次に解き方の問題があります。
消去法で解ける場合はその用語を無理に拾う必要はありません。
他にも時期を考えれば解答が絞り込めることもよくあります。
それでもノートに載っていなかった場合は、
なんとも言いがたいところです。
今回の豪族「忌部氏」は拾った方が良いのですが、
実は「忌部」は祭祀を担当する「品部」の名前でもあるのです。
この2つの理解が必要なところが難しいところで、
これは1月の早慶向けの授業で扱う内容でした。
というわけで、拾うべきか否かを、
直接一つ一つ質問されれば即答していけますが、
ここで簡単に判断基準を示すことはできないのです。

ところで、『難関大用語集解』には当然のことながら、
この「忌部」についての話も出てきます。
何がポイントなのかを明らかにして説明をしたうえで、
実際にどういうふうに問題が出題されているかを抜粋しているのです。
今となっては入手困難な古い問題を使うこともしばしばです。
時々、古すぎる過去問は意味がないと考えている人もいますが、
本当に検証したことがないからそう言っているだけです。
企業秘密とも言えるので明かしませんが、
10年を越えてそっくり問題を出してきている大学が、
いくつもあるんですよ。
大問レベルでそっくりだから笑えます。
作問者サイドの事情がかいま見えますね。

原稿はあと少しで書き上がりそうです。