『難関大用語集解』編集日記(2)

単に授業だけをしていた時代がなつかしく思う今日この頃です。
昔は入試問題を調べることと、最良のまとめを開発し、
それを使って授業をすることに専念していました。
ところが今は、原稿執筆はもちろん、自費出版の教材についてなど、
あらゆることを考えなければならなくなっています。
今、一番心配なのは、
「この新刊が大赤字になったらどうしよう?」という点です。
僕はパチンコ・競馬・宝くじなどのギャンブルは一切やりませんが、
ある意味大変なギャンブルをしているとも言えます。
まだ一銭も儲かっていないのに、
経費だけはすごい使っちゃっているからです。
あ……ぶっちゃけすぎですか?
はい、もうちょっとビッグな出版社になりたいものです……。

そんなこんなで執筆以外の雑多な仕事に振り回され、
本文の執筆が滞ってしまっています。
derutoko.com では、頻繁に事務所にきていただける、
有能なスタッフを常時募集しています。

さて、その『難関大用語集解』には
こんなコピーで始まる項があります。
 「平城京の道ってどうなってるの?」
平城京については意外と細かい知識が必要だ、
ということを知らない受験生が多いと思うのです。
そこで、入試の出題データをチェックしながら、
『読むだけ日本史』などに登場していない事項を
説明してみたわけです。
そうしたらちょうどこんなメールが届きました。

<Xさん>
こんばんわ。「読むだけ日本史 古代~近世」で不思議に思った部分があったので質問させてください。P.37の長屋王邸の住所なのですが、「平城京左京三条二坊」を地図で確かめたところ、藤原仲麻呂邸にたどり着いてしまいました。これはどういうことなのでしょうか…?入試ではそういう住所で覚えるものなのか、と思ってはみたものの、どこか不安だったのでメールをおくらせていただきました。よろしくお願いします。(後略)

<石黒>
「三条」というのは、
二条大路と三条大路に挟まれた部分を言うのです。
だからこそ一条大路は北大路と南大路があるわけです。
その二つの大路に挟まれた部分が一条になりますから。
また「二坊」というのは
一坊大路と二坊大路に挟まれた部分になります。
この意味を知っていないと解けない問題が、
青山学院大で出題されています。
夏の早慶難関大の日本史でやるネタでした。(後略)

<Xさん>
なるほど!すごいスッキリしたのでこれは入試までずっと覚えていられそうです。ありがとうございました。ちなみに夏期講習は近現代以外すべてとらせていただく予定です。よろしくお願いします。プラスをとってないぶん不安はかなりありますが…(笑)とれるところを落とさないようにします。
(編注:プラスとは「でるとこ日本史プラス」という単科講座です)

どうですか? こんなの余裕ですか?
それとも「何のことかさっぱり……」でしょうか。
『難関大用語集解』では、
もっと別の平城京ネタをいくつも紹介しています。
実際に早稲田や上智で出題された問題もつけて、です。
おもしろそうだと思いませんか?