エベレスト・パノラマ・トレッキング道中記(2)

昨日の続きです。

ヒマラヤの山々がすばらしいのは言うまでもないのですが、そのピークに立つ山行ではないため、眺めるだけです。このため僕にとって強烈な印象となったのは、参加した人たちとの交流と、ネパールの人たちの暮らしぶりでした。事前に『絶対貧困—世界リアル貧困学講義』(石井光太)という本を読んで予習していたのですが、現実に見て経験すると言葉を失うことがしばしばでした。今思うのは、「カタコト英語で、身ぶり手ぶりでもいいから、もっとネパール人とコミュニケーションを取るべきだったなあ」ってことです。前述の社長は英語が話せる社交的な方で、そうしたことを普通にしていたのです。なんでも、学生時代にバックパッカーとして世界を回ったこともあるとのことでした。自分の世界の狭さにうなだれるばかりです。

実は、海外に行くならまず最初に、「戦前・戦中の日本が被害をあたえた国に行かなければならない」と思っていました。しかし、日本史講師として現地の人と会話をすることには、非常に覚悟がいります。そのせいで海外旅行には二の足を踏んでいました。しかし、足腰が元気なうちに海外の高山に登りたいという誘惑にかられ、「せっかく長期休みが取れる立場なのだから」と考え直し、出かけたわけです。結果的には、自分にとって大きな経験となりました。学生のみなさんには「大胆なことができる若いうちに行った方が良いよ」と言いたくなります。オッサンのうるさい説教ですかね。でも、僕のような大名旅行でなければ、今は海外に安く行けます。実際、単独行の大学生女子が現地ガイドと歩いているのも見ました。思わず「がんばってください。気をつけて!」と叫んでしまいました。

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シェルパ族の山の神様クンビラ山(5761m)。日本の金比羅さんに通じるそうです。

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写真中央がローツェ。その左の台形の形をした山がエベレストです。

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クムジュンにあるヒラリー・スクールを見学し、寮の中をのぞかせてもらいました。机を挟んでベッドが3つずつ並んでいます。ベッドに腰掛けて机で勉強するわけです。教科書はお下がりなのでボロボロです。でも子どもたちは非常に明るかったです。

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今回のコースの最高地点ゴンラ・ピーク(4028m)です。おなかでiPhoneを暖め中です。冷えると電源が落ちるのです。この時はゾッキョに荷物を預けず、自分の荷物は全部背負って歩いていました。トレーニングですね。

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刷毛で描いたような雲です。

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カトマンズに降りてきて、個人的に食べに行ったネパール料理です。真ん中の白米は長粒米ですよ。

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おみやげにヤクの毛を使ったセーターと手袋を買いました。Tシャツに名前が刺繍されているのがわかるでしょうか。世界に1枚だけのTシャツです。

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背中にはなんと地図が刺繍されています。これで約千円というのはびっくりです。

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香辛料や紅茶もたくさん買ってきたので、さっそくカレーを作ってみました。プロにはかないませんが、自分でつくったカレーの中では一番おいしかったです。

有名なエベレスト・ビュー・ホテルで、パノラマ写真も撮ってみました。
画像がクルクル回るようになっています。

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