緊張する人

非常にハードな一週間が終わり、
元旦は予習と睡眠で一日が過ぎました。
2日からは河合塾での講習が始まります。
90分4コマなので、先週よりはラクですが、
この間に『MARCH学習院あるあるチェック』の原稿を、
完成させなければなりません。
またもや時間との戦いです。

ところで、授業では時々「本番に弱い人」についての話をします。
緊張して実力が発揮できないというのは非常にもったいないことです。
そして、授業を受けている生徒のみなさんを見ていると、
「彼女は精神的に強くて心配ないな」とか、
「彼は精神的に弱くてやばいかもなあ」などと思うんです。
会話などしたことがなくても、表情やしぐさにそれは現れますから。
で、ある時、その話をしていて特定の生徒と目が合ってしまい、
「本番に弱くない?」なんてことを言ってしまったのです。
ちょっと悪かったかなと思って、授業後に謝ったのですが、
その彼からメールをいただきました。
もう半年くらい前のことなのですが、紹介します。

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初めてメールさせていただきます。今日も授業お疲れ様でした。先程授業で緊張しちゃう人という問いかけで目が合い、先生に謝っていただいたのですが、そのことに関しては全く気にしていません。というより、むしろ先生の洞察力の凄さにびっくりさせられました。
私的な話で申し訳ないのですが、僕は家庭的な事情もあり、今まで自分の思いを人にぶつけたり、親に反発するといったこともなく今に至ったせいか、自分が非常に精神的に弱い人間であることを実感しています。友達関係上は問題なく接することができるのですが、偉大な先生方を目の前にするだけで緊張してしまうような状況です。今まで、今日も含め、変な印象を与えてしまっていたら申し訳ありません。もちろん、先生に救いの手を求めるためにメールしたわけではなく、自分のこうした側面を知っていただいた方が、お互いにいいのではないかと思いメールしました。ここまで、自分が悲観的である印象を与えてしまったかもしれませんが、自分は日々、自己改革を心がけ、向上心を忘れずに、石黒先生を信じ、謙虚な気持ちで勉強に取り組んでいます。入試は結局は自分自身との勝負であることもわかっているので、今後はこうした精神的弱さに負けず、勉強量で自信をつけていこうと思います。今日の石黒先生の授業での一言が自分をもう一度振り返るきっかけとなりました。どうもありがとうございました。自分に偽りなく生きている先生の姿を見習い、僕自信も残り少ない受験期間を悔いのないように勉学に励もうと思います。長々と申し訳ありません。次の模試はさらに高得点目指して頑張ります!先生もお仕事の方頑張ってください。では、失礼いたします。
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<石黒>
だいぶ返信が遅くなって申し訳ありません。
君の年齢で、自分を「精神的に弱い」と自覚しているのは、
なかなかすごいと思います。
でも、まだまだこれから学生を4年間もやるわけですから、
そこで十分変われると思いますよ。
それなりの向上心をもって学生生活を送れたら、
何かしら身につくものがありますよ。大丈夫です。
今は講師を偉大だと感じることもあるのかもしれませんが、
世間を知ればもっと偉大な人にたくさん出会えるはずです。
そして大海を知れば、井戸の中で緊張していた自分が、
ばかばかしく思えることもあるはずです。
イチローの重圧にくらべたら、
僕たちの感じている重圧などなんてことないでしょう。
高い視点からものを見たり、自分を客観的に見たりすることは、
緊張をおさえる効果があります。
その一方で、効率の高い勉強を大量にしておくことが、
自分を支える自信になります。
正直なところ、4月か5月に君から質問を受けた時には、
心配するところもあったのですが、
その後の模試の結果を見るかぎりでは非常に頼もしいかぎりです。
でも、これにあぐらをかかずにがんばってください。

いよいよ入試が近づいてきて、精神的にキツくなってくるかと思います。
なんとか2月まで持ちこたえたいものです。
『あるあるチェック』や『きたえる論述』を出したり、
早稲田の解答速報を出したりする僕も、
非常にプレッシャーのかかる時期です。
いっしょにがんばって乗り切っていきましょう。