三ッ寺I遺跡のジオラマ

センター試験が終わるまで、しばらく休暇を過ごしています。
差し迫った原稿がないため、ふだんなかなかできない読書をしたり、
何年も会っていない友人に会ったり、
さらにはギターの練習までしてしまいました。
そんななか群馬県にある、かみつけの里博物館にも行ってきました。

5世紀にあった榛名山の噴火で、この付近のムラは、
まるで火山灰にパックされたような状態となったのです。
このため「日本のポンペイ」なんて言われて、他の遺跡よりも、
当時の様子が詳細にわかるところが貴重なんです。
なかでも三ッ寺I遺跡では、
5世紀の豪族の居館跡が出土したことが有名で、
その図は山川出版の『詳説日本史』にも載っているほどです。 ※
中世の武士の館とか、城郭に通じるところも多く、
前々からその居館跡を現場で体感したいと思っていました。
ところが調べてみると、
発掘調査後にきれいさっぱり埋め戻してしまっていたのです。
かなりがっかりしましたが、ジオラマ模型だけでも……と思い、
そのためだけに、はるばる高崎市まで行ってきたのです。
ハイ、ご存じの方も多いと思いますが、ジオラマ好きなんです。

結構大きなジオラマがいくつも展示してあり、
時間を忘れて見入ってしまいました。
……いや実際は、バスがほとんどないため、
乗り遅れないように時計を見ながらの鑑賞でした。
その肝心のジオラマはこちらです。

ジオラマ三ッ寺I遺跡

『朝日百科日本の歴史』(朝日新聞出版)より

圧巻だったのは、榛名山麓一帯のムラのジオラマなんですが、
ちょっとマニアすぎるので、
博物館のわきにあった八幡塚古墳の写真を載せますね。

八幡塚古墳

これはジオラマではなく、古墳を当時の姿に再現したものです。
階段がついていて人が登れるようになっています。
一番高いところに人が2人いるのがわかるでしょうか?
そして何よりもインパクトが強いのが、表面の葺石です。
どうしても古墳というとこんもりとした緑のイメージがありますが、
実際はまったく違うってことがよくわかるはずです。
周囲に円筒埴輪がぐるりと並べられているのも異様な感じがします。
ちなみに、後円部は中に潜り込めるようになっていて、
石棺が見えるようになっていました。

舟形石棺

この話をどの大学向けに書いたのか、そしてポイントが何なのかは、
『MARCH学習院あるあるチェック』の付属プリントか、
直前講習で配布されるプリントをごらんください。

【追記】
『詳説日本史』に掲載されていた豪族の居館跡の図は、
新版になってからは削除されておりました。
大変失礼いたしました。