熊野古道館を見学し終えるといよいよ熊野古道です。来る前はどんな道なんだろうと思っていましたが、実際はよくある登山道でした。熊野三山はいずれも舗装道路が通じていて車で行けるくらいですから、熊野古道を歩いていてもしょっちゅう舗装道路に出くわします。それどころか舗装道路ばかりを延々歩かされることもしばしばでした。残念なことですが、上皇たちが歩いた道の多くは失われているのです。
集落の中もよく通りました。そこにポニーが庭を跳ね回っている「欅」という名のカフェがありました。思わずつられて入ってしまいました。地元でとれたクリ入りの手作りケーキがおいしかったです。
熊野古道でありがたいのはトイレがあちこちに設置されていることです。奥多摩とかだと女性はトイレがなくて困りがちですが、ここではそんな心配はいりません。さすが世界遺産です。
風情のある場所に作られたトイレ。
浄化機能も備えた立派なトイレです。道路も立派です。
もっともここを歩いている日本人は少ないそうです。泊まった民宿「ちかつゆ」で聞いたところ、すでにお客さんの7割が外国人なんだそうです。しかも笑えたのは、日本人や中国人などのアジア人は歩きたがらず、外国人と言っても来るのは欧米人ばかりだそうです。それゆえ彼らに合わせて和食の朝食をやめたとのことでした。トイレも洋式にして、温泉の温度はぬるくして、雨でも平気で傘をささずに歩いてくるから、それへの対応するようになったんだそうです。バスの運転手さんとかも英語をがんばってるのかもしれませんね。
僕が歩いた時にも実際いました。歩くペースが同じで何度も挨拶をかわしたカナダ人カップルです。宿まで同じでした。上記の民宿です。熊野古道のどこが魅力かを聞いてみたかったですが、英語力がなさすぎて挫折しました。正直アスファルトが出てくるたびに、彼らが「コンナノ KUMANO KODO ジャナーイ!」って怒ってるんじゃないかと不安でしかたがありませんでした。
ようやく熊野本宮付近が見えてきました。画面中央の白っぽいところがかつての本宮跡です。明治時代に川の氾濫で流されしまったため、場所が移されました。
熊野本宮大社です。結構にぎわってました。