2008年の立教大の問題から−解説

昨日お知らせした『きたえる論述』の詳細が決まりました。
こちらをごらんください。

そして、昨日の立教大の問題の解説をします。
まだ、昨日のエントリーをお読みでない人は、
そちらに問題がありますので、先に読むことをお勧めします。


A(イ)は文句なく土佐日記です。
(ロ)は「藤原道綱の母」から蜻蛉日記と即答してください。
記述問題ってところが大変ですね。
(ハ)も作者から即答です。更級日記。
問題はBの<あ>です。難しいので後回しにしましょうか。
<い>は「一条天皇の中宮に仕え」で解きます。
この中宮は定子か彰子のことでしょう。
もっとも受験日本史では「中宮彰子」とは言わず、
「皇后定子」と呼ぶのが普通です。
なのでここは彰子に仕えた紫式部の日記だろうと推測できます。
定子に仕えた清少納言の『清少納言日記』なんて、
聞いたことありませんしね。
さて、<あ>ですが、
「敦道親王との恋愛模様を,二人で交わした贈答歌を軸に回想」
だけで解けますか?
国語でやって知っているというなら何も問題ないのですが、
とりあえず受験日本史ではこの知識を必要とする問題はありません。
この問題で出題されてるじゃないか? って?
いや、そんな内容を知らなくても解けるんです。
大学入試の日本史だったら、
国風文化で問われる日記・随筆は次の6つなんですから。
『土佐日記』『蜻蛉日記』『枕草子』
『和泉式部日記』『紫式部日記』『更級日記』です。
ってことは、たぶん『和泉式部日記』ですね。
この解法をするためには、6つをわしづかんでいる必要がありました。
そういう勉強法をしているでしょうか?
実はこの6つは成立順も意識してもらいたいので、
わしづかんでいて当然だったのです。
Cの1は兄弟を覚えるというよりは、
単に兼通・兼家の争いがあったことを覚えておくだけでbと答えます。
どちらが兄かなんてことは覚える必要はありません。
2は紀伝道(文章道)を家学とした一族を考えるのですが、
めったに出題されないため「文化史プリント」には載っていません。
bでした。
『でる日講義−とことん文化史−』では講義しています。
大江匡房を思い起こしましょう。
3はカンタンですね。dです。