印刷博物館と葵祭

ゴールデンウィーク中に、飯田橋にある印刷博物館に行ってきました。

まずは入場料無料の「店頭デザイン大解剖展」を楽しく見て、「広告系の仕事もしたかったなあ」などと思いました。デザインも好きだし、コピーも好きなのです。ただ、僕が学生の頃はバブル全盛期でしたから、そういう業界は‘軽薄さ’が目立っていて、近づく気にはなれませんでした。

その後、入場料800円を払って中に入ると、「空海からのおくりもの」という特別展をやっていました。ミニシアターで曼荼羅のデジタル復元の作業を見たのですが、その細かさは圧巻でした。図説の写真などでは見えないほどの小ささで、無数の仏が描いてあるのです。展示品としては、当然「高野版」がたくさん並べられていました。

その後、常設展を見たのですが、受験日本史に出てくる印刷物のレプリカがいっぱいあって、一つ一つ丹念に見てしまいました。2年前、世界史をかじる程度に勉強したことも生きました。
ラスコーの洞窟壁画、死者の書、甲骨文字、ハムラビ法典碑、ロゼッタストーン、インカ結縄文字、マヤ文字……などと世界史ネタで始まり、ところどころに漢委奴国王印、百万塔陀羅尼、鳥獣戯画などの日本史ネタが挟まっているのです。キリシタン版の『ぎやどぺかどる』とか、嵯峨本『徒然草』なんてのもレプリカなので、触ることができるのです。『東京日日新聞』の第一号も興味を引きました。

この後にもまだまだ展示物がたくさんあって、最後は駆け足になってしまいました。印刷工房では「一筆箋をつくる」教室がおこなわれていたのですが、それも参加できずじまいでした。

ところで15日の日曜は、京都・賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)の葵祭(あおいまつり)だったようです。通年授業では扱っていませんが、ワセヨビの単科講座や『難関大用語集解』などには登場します。いつも説明に苦しむのですが、映像ならば一目瞭然です。こんな祭りです。