早大日本史の検証

唐突ですが、次の文が正しいか誤りか、判別してみてください。
今年の早稲田大学教育学部の問題からの抜粋です。

「帝国憲法に、天皇・皇族に対する犯罪として
 大逆罪・不敬罪が規定された。」

答えは後にゆずるとして、3月7日(土)は、
ワセヨビ東京校で「早大日本史の検証」という講座がありました。
今年の早稲田大学の問題をピンポイントで解説したり、
難しい問題を解くためにどういう学習をすべきかを話したのです。
受講生の表情を見ていると、解法や学習法に納得してもらえたようで、
それなりにわかってもらえたのではないかと感じました。
「早大日本史の検証」なんてタイトルの講座を受講するのですから、
意識の高い人が多かったのかもしれませんね。
ぜひこれからの一年間に生かしてもらいたいものです。
ただやはり、去年勉強してきたことと、
実際に出題される内容にズレがあることは、
なかなか通じにくいようです。
まあ、あたりまえかもしれませんね。
一つ一つの用語を「これは出ない、これは出る」って、
延々と紹介するわけではないのですから。
せめて端的にわかるようにと、過去の偉人の正解率をお見せしました。
今年の早稲田でも8割、9割正解した人たちがいます。
自分の正解率との違いに思いをはせてみてください。

それから、これは見落としがちなことですが、
歴史用語はどう理解するかが肝心です。
その理解の仕方にもズレが生じがちなのです。
入試にどう出題されるかのポイントをつかんでいなかったら、
用語を暗記しても正解できなくて当然ですよね?
それで冒頭の問題を挙げてみました。
この文は誤っています。
大逆罪や不敬罪が規定されているのは憲法ではなく刑法です。
これは通年授業でも触れる内容ですが、
受講していた人はどこで話したかわかるでしょうか。
また、冬期講習では慶應の過去問に登場しましたね。
河合塾なら「早慶大日本史」で配ったオリジナル冊子の問題です。
ワセヨビなら「早慶難関大の日本史」のテキストに入れました。

ちなみにこの講座には、知っている顔もちらほらありました。
たぶんもう一度授業を受けるかどうか迷っている人だと思います。
その人たちに聞いてみたいことがあります。

 去年の授業内容の吸い取り具合が浅かったという認識はありますか?

僕が授業で話していても、それを理解・習得しきれていないために、
いろんな問題が解けなかったのですよ。
まずいことに吸い取り切れていない内容なので、
どれが本当は解けた問題なのか、気づかないものです。
そこで、一度チェックしてみてほしいことがあります。
derutoko サイトの早稲田の解答速報の難易度は、
授業の理解・習得だけで解けない問題が、
いくつ含まれているかで決めているのです。
  <易>  全問正解できる問題です。
 <やや易> 1問を除いて、残りは正解できる問題です。
  <標準>  2問を除いて、残りは正解できる問題です。
自分の正解率とそれを比較してみてください。

ちなみに本当にすごい人は、正解できない難問でも、
考える力でもって正解してしまったりします。
だからこそ早稲田で満点とか、98%正解ということがおこるのですね。
自分の授業内容の吸収度が低かったことを認識しないと、
もう一度受講しても成績が上がることはありませんから、
自分を省みることは非常に重要な作業です。