今年もたくさんの受講生から、「日本史で高得点が取れたおかげで受かりました」という言葉をいただいています。大変うれしく思っています。
さて、今日は残念だった人からのメールを紹介します。といってもお会いしたことはない地方の方です。
<Sさん>
お忙しい中メールしてすいません。自分は地方兵庫に住む早大政経志望の者です。少し長くなるかもしれませんが気長に目を通して戴けると幸いです。これまでは近くに唯一ある代ゼミサテライン予備校で××講師のもと1年間、日本史に励みました。なのでサクナビという教材を使用しています。自分で言うのも可笑しいですが完璧に近いくらいにやり込みました。××講師のコンセプトは『日本史に時間を出来るだけ費やさず他教科に重点を置く』、日本史は合格点をキープし他教科で稼ぐというものです。なので模試の結果等では年間偏差値68~72を、MARCHでは最低7~8,5割の得点率です。しかし、早大の入試問題となると『サクナビ』を参照しながら解いてもよくて7割しか取れません。早大程の細かい知識を授業では扱われていませんでした、今年社学(しか受けてません)では運よく8割取れましたがこの先限界を感じています。浪人を決心した今、早大日本史では『最低8割』を考えています。そんな時、HPで出会ったのが石黒講師です。正直な所、××講師以外は考えられないと思っていましたが石黒講師のHPを拝見させて戴いた所本当に感動しました。早大日本史に精通していると一目で感じさせて貰えるもので是非とも受講したいと思いました。しかし、残念ながら自分は地方に住んでいるので早稲田予備校どころか河合塾さえないので受講の余地がありません。親と相談した結果、夏と冬のみ東京へ足を運び石黒講師の講座を受講させて戴くことになりました。そこで今不安を覚えることがあります。それは、講習を除く日々の早大対策は何をどのようにして過ごせばいいのか?ということです。まず一つお伺いしたいことは、石黒講師が発送なさっているCD学習(←何を取ればいいのかアドバイス貰えると嬉しいです)と夏冬(直前)の講習で早大8割を確保出来るかどうかです。各人の力量で異なる事は十分理解しているので誠に失礼な質問だと理解しています、【ほぼ完璧に習得出来れば】と解釈して戴けると幸いです。一応来年の受験大学で頭にあるのは、早大政経・商・社、上智経営、同志社、立命館、明治政経・商です。こうして目上の方に対して相談させて戴くのは初めてなことなので本文中に失礼な部分が多々あったと思いますがご理解願います。お忙しい中長文失礼しました。
<石黒>
もうおわかりかと思いますが、模試やMARCHクラスの入試でいくら得点できても、早稲田で高得点が取れるかどうかは別の話です。このため自分のレベルを確認するためには、常に早稲田の過去問を解き続ける必要があります。基本的にそれをこれからの1年間、常に頭に置いておいてください。そして通年授業を直接受講できる人に対しては、早大入試で8割はもちろん、8割後半、もしくは9割以上の得点を保証できます。実際には1問ミスという人もちらほらいるほどです。さて、問題は通年授業を受けられない場合なんですが、今までにも同様の質問を何度か受けていますので、ブログの記事にしたことがあります。こちらをごらんください。
その上で、いくつかの質問にお答えしましょう。まず、本気で早稲田政経をめざすなら、やはり相当な量をこなしていただきたいと思います。通史部分の学習のためには、『読むだけ日本史(1)(2)』をベースに、問題集として『日本史事始』と『受験生が本当にほしかった問題集』を解いてください。文化史は『でる日講義−とことん文化史−』が圧倒的にベストです。同じ映像教材では『でる日講義−つながる近現代−』がありますが、これは近現代の骨組みを講義しているものなので、もしかしたら必要ないレベルに達しているかもしれません。ただし、こみ入った近現代を、「しっかり関連性を持って理解できているか」という点では若干不安を感じます。『聴くだけ日本史−内閣編』や『受験生が本当にほしかった問題集』などで、自分を試してみるとわかるかもしれません。また、史料問題対策には『どこでも史料問題』をどうぞ。正誤問題対策には『あるある正誤問題』がありますが、これは基礎レベルなので早稲田対策には不十分です。夏・冬期講習の「早慶難関大の日本史」が受講できるならベストです。ほかには早稲田対策として欠かすことのできない沖縄史などは、映像教材『でる日講義−アラカルト−』でやっています。そして、これだけやっても前近代部分に抜けがありますので、今年度はそれを補う参考書(問題集)を刊行する予定です。こんなにあると金額がかかりすぎると思う方がいらっしゃるようですが、総額では予備校で生授業を受講する方がもっとかかると思います。さて、用語的にはこれで8割は固いですが、3つの弱点が存在します。1つ目は、映像教材の場合は僕の説明をしっかり吸収してもらえれば、それで大丈夫なんですが、紙媒体教材の場合は、どうしても各用語の理解度が浅くなる傾向があることです。2つ目は、40面ノートを使うわけではないので、各用語の時期をどこまで頭に残せるかという点です。『でる日講義−とことん文化史−』を使えば、文化史に関しては大丈夫だと思いますが。そして3つ目は、政治史部分の生授業を受けない分、歴史事項の内容や他のできごととのつながりが十分習得できない点です。たとえば一例を挙げましょう。近代の繊維業において、「なぜ製糸女工の方が紡績女工より一日の労働時間数が多かったのか」がわかりますか?また、「なぜ工場法では紡績業に深夜業を例外的に認めたか」がわかりますか?そしてこの2つを関連のあるものとして理解できているでしょうか?今まで用語暗記にばかり力を入れてきた人には、「内容理解」の重要性がなかなかわからないものです。というわけで、教科書を綿密に覚えたり、どこかの変な問題集で不要な知識を付けることなどは、まったく必要ありませんが、上記の教材に出てきた説明は、どれもしっかり理解しきってほしいと思います。それを補うのは過去問がベストです。
関連記事
早大政経を志望しています(2)