立教・東女で5連敗、なのに早稲田は全勝!

以前にここで紹介したSさんから、合格報告メールが届きました。
昨日のM君もすごかったですが、こちらのSさんも相当なものです。
思わず鳥肌が立ったメールをまずお読みください。

<Sさん>
以前東大と私大の対策の兼ね合いについてアドバイスを頂いたり、早慶大日本史(夏期講習)でお世話になりました、Sです。
無事にいくつかの大学で合格を頂けたので、報告とお礼のためにメール致しました。
受験結果は以下の通りです。


・清泉女子 文学部 日本語日本文学科(一般)→合格
・立教 文学部 文芸・思想専修(センター、全学部、個別)→不合格(三連敗でした;;)
・東京女子 文理学部 日本文学科(一般、センター)→不合格(二連敗でした;;)
・学習院 文学部 日本語日本文学科(一般)→合格
・学習院 法学部 政治学科(一般)→合格
・青山学院 文学部 日本文学科(一般)→合格
・早稲田 法学部(一般)→合格
・早稲田 文化構想学部(一般)→合格(大隈記念です)
・早稲田 文学部(一般・センター)→合格(大隈記念です)

あとは千葉大(センター失敗したので安全策をとりました)の発表待ちです。
直前期に右手を負傷して一部試験で左手を使う羽目になったり、試験期間中に
インフルエンザにかかったりと色々ハプニングもありましたが、
なんとか早稲田は全勝できてよかったです。
センターで失敗したり、立教や東京女子で連敗したときにはさすがに挫けそうになりました。
そんな時、何度も先生が授業やブログでおっしゃった言葉、ブログに登場する素晴らしい方々の姿に、奮い立たせて頂きました。
特に、叫び学習の方にはかなり精神的な影響を頂けたと思っています(笑)
また、先生にアドバイスを頂いた通り、英語をおろそかにしないことを心がけ、早稲田はどの学部でも英語は9割は確実に超えたと思います。

合格した今、改めて私大の過去問を見て思ったのですが、二次で数学を使う国立文系受験者で、私立で日本史を使うのは、余程の余裕が無い限り避けたほうが無難なようですね(笑)
数学のほうが遥かに簡単です。
ただ、私の場合、志望する学部で数学が使えない所が多かったので、面倒なので全部日本史選択にしてしまいました。
それが良かったのか悪かったのかは分かりませんが、日本史選択は予想以上に辛かったけれど、予想以上に楽しかったです。
日本史を選択したおかげで出来た経験、得られた知識、そして自分にも他人にも厳しいけれど愛情たっぷりな石黒先生に出会えたこと。
他人には決して勧められませんが、日本史を選択して本当に良かったです。

この受験で得られた宝物の「早稲田合格」を胸に、でも新たにやり直す気持ちで、もう一年東大合格を目指して頑張るつもりです。
石黒先生、本当にありがとうございました。
ページを開いただけで流れが思い出せるまで沢山使ったのと、扱いの悪さによって大分汚くなった読むだけ日本史に、機会があったらサインしてやってくださいね。

<石黒>
Sさん、おめでとうございます。
そして、結果報告をどうもありがとうございます。
しかもだいぶ誉めていただいて恐縮です。
Sさんのことはよーく覚えています。
僕の返信に対する返信メールをいただいたきり、
お返しできていませんでしたね。
東大は残念だったとしても、すごい結果になっていますね。
一応確認したいのですが、
大隈記念特別奨学生を2つも取っちゃったんですよね?
なんで立教や東女に落ちてるのに、そんなことになったんですか?
いや、逆を聞くべきですか。なぜ立教や東女はダメだったのでしょう?
もう何が何だかわからないというのが感想です。
大隈記念を利用すれば授業料が免除になるので、
仮面浪人はしやすいと思いますが、
大学での成績が良くないとアウトになるので、
それはそれでいばらの道だと思います。
もっとも、こんなにすごい‘受験’をやり遂げたSさんなら、
その艱難辛苦も乗り越えられるかもしれません。

って、まさか早稲田に行かないわけじゃないですよね……?

と書いたら、驚愕の返信メールがきました。

<Sさん>
素早いお返事ありがとうございます。
覚えていて頂いて嬉しいです。
なんだか先生の驚きが手に取るように伝わってきて、思わず笑ってしまいました。
確かに私は、大隈記念を二つ頂いたくせに、立教や東女に落ちた変態です(笑)
学校の先生や親には変態がばれておりましたので、「あぁ…」と微妙に笑われておしまいでしたが、どうやら想像以上にすごいことのようなので、勝因と敗因を分析(言い訳?)致します。

まず、東女と立教のセンター利用の敗因についてですが、これはとにかく国語のせいです。
50点満点の小説問題で、6点という奇跡的な点数を叩きだし、他科目でカバーしきれませんでした。
次に立教全学部ですが、これは一時間目の英語が全く出来ず、そこでやる気を失いました。国語はほぼ勘、日本史も適当にしてしまいました。最悪です。
そして立教の個別と東女の一般ですが、インフルエンザが敗因です。
今思えば多分やる気の問題だったのだと思いますが、頭が朦朧として考えるのが面倒で、深い思考が必要な英国をかなり適当にこなし、半分くらい時間を余らせて寝たのがいけなかったの
でしょう。
同じインフルエンザ期に学習院も受けましたが、学習院は本当に大好きな大学だったのでやる気も途切れず、きちんと真面目に解答できたのが良かったのだと思います。

そして早稲田の勝因ですが、これは立教や東女での過ちを含め、入試の厳しさを実感していけたことが大きかったと思います。
入試の厳しさをセンターから早稲田まで感じ続けたからこそ、私はずっと必死でいられたのだと思います。
どんなにつらくても試験後すぐに復習をし、自分の愚かさを実感していきました。
改めて浮き彫りになった苦手分野はもう一度覚えきるまで見直していきました。
このように地味なことをやり続けた結果、早稲田入試を絶好調の状態で迎えることができたのでしょう。
早稲田法学部である程度出来て自信がつき、文化構想では自信を持って、けれども立教や東女のおかげで驕ることなく受けることができました。
そして文学部は五日休みを挟んだので、その五日でかなり知識を再確認出来たのが良かったです。
つまり、文学部は努力、文化構想学部は気持ちが勝因だったのだと思います。

ちなみに早稲田には入学せず、純粋に浪人するつもりです。
早稲田も素敵な大学なので仮面も考えましたが、上記敗因から明らかな通り精神的に弱いので、仮面をすると自分を甘やかしてしまうと思うからです。
同じ早稲田に通うなら、もう一年頑張った結果として早稲田に通いたいです。
このままでは終われません!
どんな結果になるかはわかりませんが、あと一年頑張って、清々しい気持ちで大学生になりたいです。

絶句とはこのことです。
ま、まさか、早稲田の大隈記念特別奨学生を蹴るなんて……。
ほんとに何がなんだか意味がわかりません。
最近、「早稲田で補欠だったんですが……」
というメールが多いのもうなずけます。
こんなふうに早稲田に受かっても行かない人がいるからでしょうね。
早稲田は学部を増やしたせいもあって、
合格しても入学しない人の数が増えているんだと思います。
でも、大隈記念をねえ……と、
ついついセコイことを考えてしまいます。

そして、昨日のM君のこともあわせて思ったことがあります。
でるとこサイトとこのブログが、
こういうスゴイ人たちに認められていたって、
本当にうれしいことだなあ、と。
ほとんど会ったことがなくても、
見る人が見たら、真実は伝わるんだな、と。
誹謗中傷合戦の激しい予備校業界ですが、
自分は真っ向勝負で挑んでいこうと気持ちを新たにしました。

●管理人より●
あまりにぶっ飛びすぎていて、
正常な受験生には精神衛生上良くないと思い、
Sさんのメールは一部抜粋にとどめようとも考えましたが、
異次元の世界を知っておくことも必要だと思い、
全文を掲載しました。
こういう方は、世の中に本当に一握りしかいないのでしょう。
このエントリーを読んで、
「俺もがんばればSさんみたいになれるのか!」と思った人、
ほんっっとーにがんばればできるかもしれませんが、
すごーく難しいと思います。
このエントリーを読んで、
「私の努力っていったいなんだったんだろう……(涙)」と思った人、
これはすごく特別な例なので、
深く考えすぎて落ち込まないでください。
私たち凡人は、現実を見据えてこつこつ努力しましょう…。