問題演習の長所と短所

正しい受験情報にもとづいた学習というのは、
なかなかできないのが実態です。
テキトー情報にもとづいた参考書・問題集があふれているからです。
もっとも「何もやらないよりはまし」って意見もあります。
たしかに、偏差値40の人にやる気を起こさせるような問題集なら、
ちょっとくらいウソ情報が載っていてもアリですからね。
でも、本気で最難関大を狙っている人にはナシじゃありませんか?
時々、最難関大を志望しているのに、
やっているのは低いステージの学習法って人がいます。
これからはそういう人たちを
‘ドリーマー’と呼ぶことにしましょうか?
難関大合格を夢見ているだけの人って意味です。
実際には合格できないってことですよ。

 ぬるい授業に浸りきって、ドリーマー化している人はいませんか?

<Sさん>
早稲田予備校で石黒先生に教わっている高卒生のSと申します。今更このような質問をしていいものか迷ったのですが、今日本史につまづいているので、教えていただけたら幸いです。質問の内容は日本史40面ノートを復元したら、問題集を解くのではなく赤本をひたすら解いていけばいいのでしょうか?先生のお話を聞くと市販の問題集が良いように思えません。ただ知識を定着させるために問題を解かなくてはいけないと考えているので、どうすれば良いと先生はお思いになりますか?ただ赤本を解くというのは出てくる問題も聞かれ方も様々だと思うので手当たり次第に解いていった結果、基本事項にもかかわらず抜けていたとなると嫌なので、どうしたら良いか困っています。こんな質問で申し訳ありません。苦手な日本史が石黒先生のおかげで好きになり始めたので、来年の入試では日本史を得意科目として受験したいので、是非アドバイスお願い致します。

<石黒>
最初に一つだけ質問があります。
ワセヨビの演習編のテキストは解きましたか?

<Sさん>
第一回と第二回のアチーブメントの範囲は要領を得なくて、しっかりとはできていませんが第三回第四回の範囲はきちんとやってあります。ですが、完璧と自信を持って答えられないのでもう一度やり直す必要があると思います。先生もお忙しいと思いますので、返信が少なくすむようにまとめてもう一つ気掛かりな点を書きます。今一学期が終わり、夏を挟んで二学期からは近現代の勉強が始まります。二学期の範囲を復習する時間は今の夏ほどの休みもなく入試本番となります。私は日本史が苦手なので夏に近現代の授業も取りました。そこで質問なのですが、今私がやるべき事は近現代をテキスト以外の細かい部分を独学で進めるよりは一学期の範囲を二学期に復習しなくても済む位に完璧にすることでいいんですよね?(後略)

<石黒>
返信が遅くなりごめんなさい。
市販の問題集には安心してお勧めできるものがありません。
しかし一方で、
問題をたくさん解かないと記憶が定着しない人がいるのも事実です。
決して要領の良いやり方ではないのですが。
そこで解くとしたら、過去問は有効です。
(ただし解説は鵜呑みにしないでください。)
しかし、Sさんも心配する通り、
時代や難易度などが公平に出題されているわけではないのが、
弱点となります。
その対策には、普通の問題集を解くしかありません。
その場合は、
実際に大学で出題された問題が使われているものを選んでください。
そして例によって解説を鵜呑みにしないでください。
それからSさんが今やるべき事は、もちろん1学期の復習です。
志望大学の過去問で、一学期の範囲の問題を9割正解できるよう、
学習を極めていってください。
一方、近現代の範囲は
夏期講習を受けるまでは放っておいてかまいません。
その後だったら、
『読むだけ日本史(2)』などで肉付けするのもアリだと思います。

ワセヨビ生の場合は、
演習編のテキスト(前期・後期)、アチーブメントテスト、
講習のテキスト(全部で10冊)がありますので、
それらを受講していると年間で相当な数の問題を解くことになります。
しかも古い赤本がたくさん揃っているので、
問題演習にはあまり心配していないのですが、
市販の問題集をやって安心したいという気持ちもあるでしょうね。
熱心ですばらしいことです。
ただし、知識のベースであるノート暗記を
おろそかにしてしまっては逆効果です。
もっとも要領の良い人たちは問題集をほとんどやらずに、
授業理解とノート暗記だけで難関大に受かってしまうのですから。