早稲田政経の論述問題

そろそろ通年授業も大正時代に入りますから、もう近代部分の論述問題もだいぶ解けそうです。いよいよ誰もが論述対策を本格的に始められる時期になりました。

論述といえば国公立の二次試験が一番大変ですが、私立大では早稲田の政経と慶應の文学部・経済学部が大変です。このあたりを狙っている人はとうに問題を見ているでしょうが、こんな質問をいただきました。

<Kさん>
毎週楽しく授業に参戦させて頂いています。△△(編注:予備校の校舎名が入ります)のKです。
赤本で論述問題を解いていて疑問に思ったところがありメールしました。
2009年度早稲田大学政治経済学部の3B、不平等条約改正についての論述です。一応赤本の解答をもとに丸つけをしてみたのですが、駐英大使青木周蔵の重要性がよくわからなくなってしまいました。彼はあくまで陸奥宗光に「明日調印できます!」と電報を打っただけであって、論述の際は120字なら彼の名前はカットでいいですか?(青木さんになんか失礼かもしれませんが…)それよりも法権回復、関税率の一部引き上げ、相互最恵国待遇をきちんと明記して、発行が5年後であることを気をつけて言葉を選べばいいんでしょうか。
お忙しいとは思いますがよろしくお願いします。
P.S.喉お大事になさってください!

<石黒>
まず、青木周蔵は「駐英大使」ではなく「駐英公使」です。また「発行」ではなく「発効」です。論述解答では事実と異なることを書くと減点の対象となるので気をつけましょう。
さて解答ですが、Kさんが考えたとおり、青木周蔵はこの場合重要ではありません。文字数が少ないからです。「5年後に発効」というのも重要ではありませんね。論述問題で高得点を取るためには、これらの歴史事項の重要度を把握している必要があります。自分が知っているからといって、歴史的意義の小さな事を書き連ねても加点対象にはなりませんから。単語暗記だけではダメってことです。
derutoko.comの解答速報でも、「青木周蔵」「発効」は書いておりません。

その後にいただいた返信にると、Kさんの学校では、なんとテストが論述問題なのだそうです。すごいですね。でも文字数制限がないそうで、そこに先生のやさしさが感じられますね。まるで綴り方教育です。「自由に書いていいんだよ(ニコっ)」って感じで。論述問題では、実は使う用語の取捨選択から戦いが始まるのです。以前はderutoko.comで早慶大向けの論述対策教材を販売していて、通信添削もやっていました。人によって得意不得意があるので、早めに自分の力を見極める必要がありますよ。

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