今シーズン最後の雪山登山に行ってきました。剱岳です。
途中、こんな場所も通ります。
右側斜面の下は崖なので、ガイドさんが女性二人の足元を見ながら歩いています。
各方面から「雪山始めて間もないのに、もう剱岳かよ。やけに早いステップアップだな」と言われていますが、理由は海外の雪山も登りたくなってきたからです。年をとってしまうと、体力不足でガイドからダメ出しをくらいやすいのです。ここのところ何人ものガイドさんと話をし、高齢の登山客もたくさん見たので、残された時間はあまりないな……と焦りだしたわけです。
なんだかしんみりしてしまいましたね。いや、剱岳登山そのものはうまくいきましたよ。以前に登ったコースとは別の、平蔵谷を登るコースです。途中からグループを二つに分け、それぞれガイドを先頭に3人の男性がロープで体をつなぎました。僕はスピードの速いグループに入ったせいか、難所と言われるカニの横ばいも、なんの注意をすることもなく通過してしまいました(詳しい方へ。今回は登りも下りも横ばいを通りました)。それゆえ写真を撮る時間もなく、実に残念でした。
というわけで、ガンガン岩場を登りつめ、あっという間に頂上に着きました。
これがその3人です。思わず、固い握手を交わしたことは言うまでもありません。
そして、夏とは違って祠も雪の中です。
遠くに昨夏歩いた稜線が見えています。右端の唐松岳から白馬岳を越えて朝日岳です。
僕にとって最高だったのは、この後の下りでした。登りとは逆に、今度は僕が先頭に立って下山することになったのです。これは、滑落の際にガイドが上でロープを引っ張るためです。そのせいで、突然目の前が開けたのです。
ツアー登山というのは、誰かの後について歩くせいで、目の前にはたいてい誰かのザックとお尻があるのです。これを何時間もがまんしなければなりません。これは、単独行ばかりの僕にとっては、かなり苦行です。それが、突然、誰もいなくなりました。しかも、場所は剱岳山頂直下の岩場! 曇ってはいましたが、景色は遠くまで見渡せます。思わず「ヒュー」なんて言ってしまいました。岩場の歩き方も歩くスピードも、自分で決められます。実に気持ちのいい下山でした。
残念だったのは、3日間の行程のうち、肝心な登頂日が曇りだったことです。翌日はこんな青空が拡がりました。雨で中止にならなかっただけでも良かったと言うべきですか。