昨日こんな質問をいただきました。
<Tさん>
たびたび質問してスミマセン…。河合塾藤沢で石黒先生に教わっているTです。授業の後にMarch以上の大学の問題をやっているのですが、多分石黒先生が出題率とお思いになって言わなかったものなどがあるのでそれをメモしてノートに付け足そうと考えています。しかし、具体的な大学名を挙げると、立命館大学のようにちょっとオタクな問題から得た知識をメモした方がいいですか?
サイトを見ていてこのメモが最大の武器となると書いてあったのでやってみようと思ったのですが、自分自身は石黒先生のように出題率などを知りません。なので、どれをメモしてどれはいらないのか分かりません。例えばで言うと、『倭の五王の血縁関係』などなんですがどう処理すればいいですか?
もし自分自身の知識不足だったら申し訳ございません…。
<石黒>
まずメモの重要性を言っている人は、過去問からの追加メモではなく、授業中のメモのことを言っているのだと思います。ワセヨビ生だと通年授業の時間が長めなうえに、「でるとこ日本史プラス」というオプション講座があるので、たくさんのDランク用語を追加しています。その情報をさしているのでしょう。
一方で、過去問から用語を拾い出すと、あっという間に超マイナーなEランク用語が増えます。また消去法で解いたり、推測して解く問題の場合は、正解を追加する必要はありません。だからこそ正解を導き出すプロセスは大変重要なのです。それを見せるための講座が、河合塾なら夏の「早慶大日本史」だったのです。今夏は残念ながら僕は担当しませんが……。
というわけで、ノートにない用語を追加する・しないは、受験生ではどうしようも判断できないと思います。そこで作った参考書が『難関大用語集解』でした。これは、『読むだけ日本史(1)』および『日本史事始』などに掲載されていないDランク用語を集めた参考書です。Dランク用語を追加する機会の少ない河合塾生にはお勧めの参考書です。
ちなみに倭の五王の血縁関係については、『どこでも史料問題』の中で触れています。ワセヨビでも上記のオプション講座の中で、史料を読みながら講義しています。「興死して弟武立ち」などが拾うべき情報です。
それにしても立命館大は特殊な出題が目立つため、他の大学に役立たないものも多いです。立命館大を受験しない場合は、むやみに用語を拾うのはお勧めしません。ただの徒労に終わりがちです。
あたりまえのことですが、入試問題を使っていない問題集からメモを追加するのはやめてくださいね。かの有名な『実力をつける……題』などが典型的な出版社オリジナル問題集です。不思議なことによく売れていますが……(ニヤリ)。また、教科書会社が作った問題集にも入試問題ではないものがあります。自社の教科書を利用した問題集なんですねえ(ウマイ!)。大問に大学名がついていなければオリジナル問題ということです。
また、念のため言いますが、入試の出題状況に沿わない解説から抜き書きするのもやめてくださいね。めったに出ないことを長々と解説している問題集はいくらでもあります。しかも太字付きで。
というような状況ですから、河合塾の夏・冬の講習における「早慶大日本史」の時間は貴重でした。ここでは河合塾テキストの大問を解説するだけでなく、次の4つのことをやっていたからです。
(1)Dランク用語の追加。
(2)別冊で配布するハイレベル問題の解説。
(3)早慶大の過去問から小問単位でピックアップした、一見難問と思われる「類題」の解説。
(4)一見難問と思われる大問の、合格者・不合格者の正解率の紹介。
とりわけ(4)は、受講した人たちの目が点になる時間でした。みなさんが解いた大問の正解率と、実際の受験生の正解率を比較してもらっていたのです。ほとんどの受講生が、段違いの正解率を聞いて圧倒されます。しかし、そこで落差を知るからこそ、本当の目標値が見えてくるわけです。一人で過去問を解いているだけでは、自分に甘くなるのは当然ですよね? どうすれば正解に至るのかもわからないことも多いでしょう。
よくある定番質問にもお答えしておきます。「かわりに冬期講習ではやらないのですか?」という質問です。どの講座も夏と冬では内容が異なります。夏は1学期部分を扱い、冬は2学期部分を扱うのです。そもそも「ぬるま湯状態」を冬まで放っておいたら手遅れなのですが……。
手前味噌になりますが「早慶上智プレミアム日本史」の受講をお勧めします。お申し込み受付は、本日夜8時からです。