『上智対策コンプリート・ミッション』の中身(1)

今日も猛烈に問題を作りました。
『上智対策コンプリート・ミッション』には、
過去15年間に上智で出題されたすべての年代問題を入れました。
ほんとにすべて、です。
上智大の特徴として年代の正誤問題があるからです。
たとえばこんな感じです。正誤判別してください。

 1737年の陸奥磐城平藩の元文一揆

元文一揆は1738年なのでこれは誤りです。
ぶっ飛びませんか?
こんな1年違いの誤文がわんさと出てるんですよ。
重複する出題を削ったら 298 題ありました。
もちろん‘捨て問’として正解する必要のないものも多いです。
でもそれは、難問だと表示すればいいだけのことなので、
故意に取捨選択したりせずに全部載せました。
しかし単に年を答えさせるだけの問題というのは味気ないものです。
そこで、それぞれの問題に関係する用語や年代を、
オリジナル問題として追加してみました。
その数 599 問。
これを解くことで、まぎらわしい年代との違いが明らかになったり、
思いがけないできごととの関連に気づくはずです。
当然、上智らしさも意識して作問したので、
予想問題的な位置付けでもあります。

ちなみに、これ、深夜に思いついたので、
スタッフに相談せず、勝手に作問し始めてしまいました。
翌日あきれられたのは言うまでもありません。

大量にかつどんどん作問できるのは、
過去の出題データがパソコンに入力されているからです。
どんな出題が一般的なのかはデータを見れば一目瞭然です。
その内容がどういう文脈で出題されたかも、
すぐに引き出せるようにデータベースを作ってあるのです。
ダミー選択肢まで書き留めてあることも多いです。

しかしひたすら原稿地獄だと、時間の感覚がなくなってきます。
あっという間に5日の休みが終わってました。
今は久しぶりの授業に向かう電車の中です。

さて今日も一つ質問メールを紹介します。
その前にこの問題を解いてみてください。

 法相宗の大本山の名を漢字3字で記せ。

これは出題頻度が低いので「文化史プリント」には登場しませんが、
『でる日講義−とことん文化史−』などでは紹介しています。
夏期講習の文化史でも扱いました。
覚えているでしょうか?

<Mさん>
度々すいません。大阪の河合塾で浪人をしているMです。また勉強中に少し疑問に思ったことがありましたのでメールさせていただきました。早稲田の2004の社会科学の問題をやったのですが、
1 問9 (B)には法相宗の大本山の名が入る。適語を漢字3字で記せ。
とあり、僕は薬師寺だなと思って書いたのですが、答えは興福寺でした。気になって辞書で調べてみると、両方の説明に「法相宗の大本山」という文がありました。これは薬師寺では間違えなのでしょうか。御返事よろしくお願いいたします。

<石黒>
どこから薬師寺という答えが出てきたのでしょう?
言うまでもなく興福寺です。

<Mさん>
僕の使っていた文化史の参考書に薬師寺と書いていました。ではこれからは興福寺しっかり覚えておきます。ありがとうございました。

法相宗と興福寺はある人物でつながっています。
それができていると定着率も高くなるはずです。
ちなみに上智大学は、日本でもっとも文化史問題が難しい大学です。

ところで『上智対策コンプリート・ミッション』の略称は、
「上智コンプ」でしょうか……。

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