赤本のテキトーさ

大学の作問ミスとか赤本の解答マチガイなどを指摘していたら、
なんと赤本の解説を書いている方からメールをいただきました。

<Xさん>
石黒先生へ
こんにちは。ブログいつも拝見しています。同じ受験業界の人間として、先生の熱心さにはいつも頭が下がります。だいぶ以前に××の件でメールしました、Xと申します。「同志社大の出題ミス」のエントリーで、どうしても聞いてほしい話があったのでメールしてみました。御多忙中、恐縮です。
数年来、赤本の解説も書いているのですが、教学社の姿勢としては、大学が出題ミスとして認めたミス以外は、基本、出題ミスにしないのです。(中略)要するに、すべての問題に正解があるように言い繕え、が教学社のポリシーです。問題を批判するようなコメントは書かないで下さい、という規定もあります。過年度(といってもだいぶ前。10年以上前)の赤本を見ていると「悪問である」「出題に疑問を感じる」、など(物によってはそれ以上に辛辣なものあり)といったコメントがままあるので、いつかからか方針が変わったのだと思われます。赤本(および他の入試問題集)に適当なもの、間違いが多いことは、先刻御存知と存じますが、一応、裏を取る話として、上記の話、お伝えしたく思います。
ますますの繁忙期に入ると存じますが、くれぐれもお身体御自愛下さい。内服液の「マムシグロンA」はオススメです!それでは失礼致します。

<石黒>
Xさんのことはよく覚えています。(中略)
ところで、赤本の解説もお書きになっていらっしゃるとは驚きました。
そして内情をお聞きして頷ける点が多々ありました。
たぶん出題ミスなどと指摘して大学側を刺激したくないのでしょうね。
大学から問題を無料でもらって赤本を作っているはずですから。
日本人の横並び意識を利用して、
「どの大学も問題を提供してくださっています」
などと言っているのだと思います。
昨今は著作権がうるさくなっているので、
現代文などでは、
作者が赤本に載せるのを拒む例も多くなってきたようです。
入試問題に使うことすら拒んでいる方もいるようです。(後略)

この方は日本史を担当なさっているわけではないのですが、
以前に某大学の問題についてメールを交わしたことがありました。
それから2年半も経っているのですが、
まだブログを読んでもらっていることに恐縮します。
それにしても、このブログの閲覧者層に自信がなくなってきました。
当方としては一応、受験生向けに書いているつもりなのですが、
実際には受験生でない人が結構な割合でいるような気がします。
道理で derutoko.com が広まらないわけです。
確かに10代の人が読んでもおもしろいネタは少ないかもしれませんね。
しかも受験に厳しい姿勢で挑んでいますから、
カンタンラクラク受験をしたい人が寄りつかないのでしょう。
まあしょうがないですよね?
ただ、今回の話はさすがに興味深い情報だったのではないでしょうか?
メールにはここには出せない話もあったので、
さすがに伏せさせていただきました。