先日、ある校舎でK君からびっくりする話を聞きました。
ある難関大向けの模試の解説についてです。
「この解説、文化史プリントに普通に書いてある用語が、『難問』ってなってるんですよ」と。
いろいろ差し障りがあるといけないので、
模試の名前もその用語も明かしませんが、
よくあることとはいえ、ちょっと驚きました。
赤本の解説で「難問」と書かれいている用語が、
実はCランク用語(読むだけ日本史の赤字)だったってことは
よくあるんですが、これは模試の解説ですからねえ。
どういうことかと言うと、赤本の解説を書いている人は、
必ずしも入試に精通しているわけではないということです。
赤本の場合、たいした原稿料でないうえにあの冊数ですから、
イロイロな人が書いちゃっているのでしょう。
しかし、全国模試を作る人というのはスゴイ人のはずですよね?
「うーむ……」とうなってしまいました。
ちなみに、この手の用語は文化史分野にわりと多い気がします。
そして、文化史といえばオソロシイ大学は上智です。
過去に幾度もトンデモ問題を出しています。
中でも秀逸と言えるのは、この問題でしょうか。
問
(1)1~10のなかで,最も像高の高いものはどれか。
(2)1~10のなかで,最も像高の低いものはどれか。
1 新薬師寺薬師如来像
2 神護寺薬師如来像
3 元興寺薬師如来像
4 勝常寺薬師如来像
5 室生寺金堂釈迦如来像
6 室生寺弥勒堂釈迦如来像
7 薬師寺僧形八幡神像
8 唐招提寺鑑真和上像
9 法華寺十一面観音菩薩像
10 観心寺如意輪観音菩薩像
もうギャグとしか言いようがないのですが、
この問題、これで終わりじゃないんです。
一つ一つ坐像か立像かそれ以外の像(半跏像・倚像など)かを、
答えさせているんです。
あんぐりしてしまいますよね?
しかし、だからといって、
どれもこれも難問と言って切り捨てられますか?
それだけ英語で得点できれば問題ないのですが、
日本史講師としては
「それを言ったらおしまいだろ!」と思っています。
だって英語を教えてるわけじゃないんですから。
日本史講師のすべきことは、
できるだけムダなく日本史を習得してもらう、それだけです。
実は上智では、この7年後にもう一度出題してきたんです。
今度は正誤判別問題でした。
「元興寺薬師如来像は立像である」マルかバツか。
答えはマル、「正しい」です。
いや、ほかにもまだ出ていましたよ。
さて、なぜ最近、上智にこだわっているのかというと、
こっそり考えていた『上智大あるあるチェック』の販売を、
今年度はあきらめたからです。
もしそれが出せれば
そこで上智大情報を放出するつもりだったのですが、
いかんせんderutoko.comは人手不足状態でして、
今年度は見送ることにしたのです。
しかし、それじゃあ今年の受験生に失礼です。
そこで、どういう対策を心がけた方がいいか、
また、でるとこ教材ではどれが上智対策として有効なのかを、
もっとアピールしようと思ったわけです。
ここまでで十分わかると思いますが、
『でる日講義−とことん文化史−』
『聴くだけ日本史−美術史編−』
『文化史入門』
などの文化史シリーズが有効です。
文化史の学習をきちんとしたことのない人には、
『でる日講義−とことん文化史−』がお勧めです。
【追記】
『文化史入門』は、現在は販売しておりません。