歴史用語を間違って覚えちゃう人

「でるとこ模試」の採点をしていて気づいたことがあります。歴史用語を、ただ字面を見て、書いて覚えるだけの人は、記述問題の時に正確な解答が書けないことが多いようです。「でるとこ模試」の内容とかぶらないように、違う時代で例をあげて説明します。「種子島時堯」のことを「種子島堯時」と書いていたりするのです。これは、北条高時など「たかとき」という名前の人が実在するからです。当然その逆に「北条時高」としてしまう人もいるんです。北条氏は「時」の字が前につく人と後ろにつく人がいるので危険なんです。「北条貞時」などもやばそうですね。天草四郎「時貞」がいるからですよ。ちなみに、足利将軍で同じような間違いはありえません。義詮・義満・義持……と、彼らはみな「義」の字が前につきますから。

実はこの採点をする数日前に、こんなこともありました。生徒が「円覚寺ぶっしゃりでん」と言うんですよ。鎌倉文化で登場する「円覚寺舎利殿」の間違いですね。その時は現役生の授業の開始直前だったので、彼につっこみを入れる余裕もなかったのですが……。そして、彼が「ぶっしゃりでん」と言ってしまったのは、たぶんこんな理由です。

鎌倉文化よりも先に、まず飛鳥文化を勉強しますね。その時に「仏舎利」ってコトバを覚えるわけです。釈迦の骨という結構インパクト強い話とともに。そうすると、鎌倉文化で「円覚寺舎利殿」が登場しても、彼の脳味噌が勝手に「円覚寺仏舎利殿」と変換してしまうんですよ。そして、鎌倉文化を勉強してかなりの時間が経っても、間違ってることに気づかない……と。

これはやばいですよね?

こうした失敗を防ぐためにも「しゃべり勉強」は重要なのです。そして、さらに思います。『聴くだけ日本史』を使っていたら、間違いに気づくのに……と。もうすでにお使いの方は、フォローメールでお伝えしたとおり、「復唱しながら時代を考える」ってのをぜひやってみてください。効果が出ますから。

関連記事