『難関大用語集解』編集日記(8)

3月から書き始めて4カ月、16日についに入稿を終えました。
今はやや気が抜けて放心状態な感じです。
それにしても、
自分で企画して自分で書いて自分で編集するというのは、
なかなか大変なものがありました。
表紙のデザインや装丁とか、さすがにわからないんですよ。
章ごとの扉のデザインなどは外注しそびれてしまって、
最後の最後に自分で作ってしまいました。
素人くささは出てますが、当の本人は意外と気に入っています。
これが良くも悪くも自費出版たるところです。
自分が生みだしたもの、そのものに満足する……という。
まあ実際のところ、人件費が相当かかってしまっていて、
とても外注する余裕なんてなかったんですけどね。
難関大受験用の本なので、そんなに売れないと思うんですよ。
そう考えると経営的にはアウトになりそうでオソロシイです。
でも、これを作らないと通年授業を取っていない人に対して、
「derutoko.com の教材だけで受験日本史すべてをマスターできます」
と言い切れなかったのです。
これで、今まで何度となく相談された、
「前近代部分の細かい用語はどうすればいいですか?」
という非受講生からの質問に、ようやく答えることができました。

ところで、多くの本の冒頭に「はじめに」というページがあります。
あれ、著者サイドとしては「最後に」書く文章なんですよね。
いつもそこに何かしらの違和感を感じながら書いています。
今回は地下鉄の中で書いて、電車を降りた後も興が乗っていたので、
ホームのベンチに座って書き続けました。
もっとも、その後も修正につぐ修正をしたのですが。

今日はその「はじめに」をここに紹介します。

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はじめに

 過去問を解いていて自分の知らない用語が出てきた時に、それを覚えるべきかどうか悩んだことはありませんか? 二度と出題されないような用語を拾うのは空しいですよね。また逆に、覚えた方が良さそうな用語でも「何をどこまで覚えるのかわからない……」というのは定番の悩み相談です。覚えるポイントを簡潔にはっきり示している解説だったらそんな悩みはないはずなのに!

 過去問や模試の解説には、辞書的な説明に陥って「詳しいけれどポイントがぼけている」ものが多々あります。そこにやみくもに蛍光マーカーを引いている受験生を見るといつも哀しくなります。よっぽどその用語についての他の出題例を載せた方が良いように思いますが、これまたそうした解説にはなかなかお目にかかりません。出題データが蓄積されていないことの証拠に思えてしまいます。

 この本はそうした問題をすべてクリアしました。近現代の範囲は『受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史』にDランク用語まで盛り込んでありますが、前近代(古代~近世)についてはそれができていませんでした。それをついに公開したのです。A~Cランクの定番用語は『読むだけ日本史(1)』でほぼ網羅し、定番問題は『日本史事始』で多く紹介しました。また、わしづかんでゴロで覚える部分は『日本史でるとこ攻略法』で書いています。この本では、それらで触れなかったDランク用語のすべてとEランク用語の一部を太字で取り上げ、ポイントを明示しながら説明したのです。出題例を並べて問題演習を実体験できるようにもしておきました。解きにくい問題だけを効率よく抜粋したのです。もっとも後半には大問を丸ごと載せたところもあります。他の小問との合わせ技で解く経験もしてほしかったからです。もちろん解答に至るまでのプロセスは丁寧に書きましたから、目からウロコな解法に驚愕することもあるかと思います。実はそここそ僕自身が一番楽しがって書いた部分でもあります。

 上記の教材などで基礎固めができたら、さっそく本書を読んで太字部分を覚えてください。太字はチェックペンで消すとその用語を覚えたかどうか試せるように設定してあります。『読むだけ日本史(1)』で赤字になっていないために拾いそびれていそうな用語も太字にしておきました。細字の説明部分は正誤問題を解く際に必要となります。読み流したりせず、きちんと理解してください。「そこまで出るのか……」と驚くこともあるでしょうが、いわゆる用語集よりはずっと少ない情報量です。それどころか用語集に載っていない内容も入っているのに「これだけ」で済むのです。他の余分な情報が入っているお手元の教材と比べればわかるでしょう。遠回りしている余裕はありません。最短コースで受験日を迎えましょう!
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というわけで、印刷・製本が滞りなく完了すれば、
7月31日発送開始となります。
最速でお届けするため、予約受付も承ります。
詳しくはこちらのページをごらんください。
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