上智CM 史料対策!(1)

史料問題というのは、基本的に読解して解くものです。
普通に今の言葉で学習した内容が、
史料を使って出題されているだけなので、
本来はあわてることなく史料を読み、空欄を埋めたり、
下線の意味を答えたりすればいいはずです。
ところが、実際はなかなかそうはいきません。
各歴史事項について、それを記した史料とともに学習していることを、
作問者が当然と考えている場合が多々あるからです。
困るのは、作問者が「この史料くらい読んでるよな」とか、
「この語句なら空欄で出題しても解けるよな」と、
自分の感覚で出題してくる場合です。
実際の教育現場では、史料にあたりながら学習するのは、
なかなか困難だと思います。

そうした作問者たちの「当然知ってるよな」という感覚は、
予備校講師ごときがあてずっぽうに推測することはできません。
20年くらい前に
ある有名な史料問題集を全編解いてみたことがあります。
当時最も売れていた史料問題集です。
その上で過去問を解いて、出題箇所を記録していったのですが、
問題集に掲載されている史料と、実際に出題されている史料には、
結構なズレがありました。
空欄問題や、意味聞き問題で問われる箇所にいたっては、
もっとズレがあったのです。
もちろん、そういうズレを見つければ見つけるほど、
出題データを取るのは楽しくなるわけですが……。

そうしたデータ収集をするうちに、
各史料の出題率がはっきりしてきました。
そこで、よく出る方からA~Cの3ランクに分けてみたところ、
A・Bランク史料は147個ありました。
これを載せたのが『どこでも史料問題−史料編−』です。
Cランク史料を載せたい気持ちもあったのですが、
多すぎて使う人が習得しきれなかったら最悪です。
早慶上智クラスを狙う受験生にはもの足りないかもしれませんが、
あえて抑えたというわけです。

いや、たとえ上智大でもA・Bランク史料からの出題がほとんどです。
1994~2009年の上智大の全問題でも、
出題されたCランク史料は40個くらいなのです。
ただし、この中には繰り返し出題されているものもあるので、
『上智CM』に入れることにしました。
また、別のCランク史料が出題されてしまう可能性はありますが、
あくまでもA・Bランク史料に備える方が優先です。
空欄問題やワンフレーズ史料判別問題の多い大学ですから、
それをマスターしていないと意味がないのです。

この上智大の史料の話、まだ続く予定です。