知ってれば解ける慶應、知ってても解けない早稲田(2)

ワセヨビの「早慶難関大の日本史」を受講していた人から、こんな悩み相談を受けました。

「範囲が決まっている校内模試のような問題なら解けるんですが、違う時代の話が出てくる問題だと頭の中がパニックになって、とたんに解けなくなります。どうしたらいいんでしょう?」

確かにこういう人はいますね。もうだいぶ前のことですが、すごく驚いたことがあります。校内模試では1位を取ったりしていた人なのに、入学したのは日大だったのです。英語が苦手だったのでしょうけれど、「狭い範囲の試験じゃないと弱いんです」とも言っていました。

対策としては、時代別に区切られている問題集ではなく、過去問を解いて頭を鍛えるのが手っ取り早いでしょうね。この相談に来た人は、「まだノート暗記が完璧じゃないから……」とも言っていましたが、それだけが原因とは思えません。瞬時に違う時代にジャンプできる頭になっていないのがまずいのです。ノートを縦横無尽に駆けめぐるくらいになってほしいのです。過去問を解いているか聞いてみたところ、まだ十分に取り組んでいないようでした。

インプット作業に専念している人たちは危険です。その作業で、本当に志望大学の問題が解けるとはかぎりませんから。どの程度の深さまで理解する必要があるかは、問題を解いて確かめてみなければわからないと思いませんか? しかも問題は単純にできているわけではありません。予想もしない形で出題された時に、対応できる力が自分についているのかどうか、常に確かめながら、インプット作業をしていくべきです。このアウトプット作業は、記憶定着に非常に効果がありますしね。

よく誤解している人がいるのでお伝えしますが、そもそも、ひとつのことをひたすらやるというのは、一見正しそうに見えて、実はカンタン勉強に逃げているだけってことが多いです。何の作業でも、単純化すれば取り組みやすくなりますからね。「一冊の問題集をとことんやれ!」なんて言っている人がいたら、それは複合的な学習法を構築できなかった人です。大学受験の日本史に本気で精通していないから、そんな単純なことしか言えないのでしょう。その辺の大学生や家庭教師に学習法を聞くのは、「百害あって一利なし」ってこともあるのですよ。