ふたたび尾瀬へ

気がつけば6度目の尾瀬でした。
山に囲まれた尾瀬ヶ原を歩くとまるで別世界の気分が味わえます。
ある意味、ディズニーランドと同じなのかもしれません。
そして今回は、尾瀬ヶ原の中で目覚めてみたいと思い、
尾瀬のど真ん中にある一件宿「竜宮小屋」に泊まりました。
季節によっては木道が渋滞するほどの尾瀬ですが、
8月末~9月初頭は非常に人が少なく、
小屋の宿泊客もたった5人しかいませんでした。
おかげで窓から真正面に至仏山が見えるベストな部屋を、
割り当ててもらえました。
翌朝は5時前に布団を抜け出て木道をとぼとぼ歩き、
絶好のポジションに陣取って、
紅茶を飲みながら明るくなるのを待ちました。

朝の紅茶

尾瀬に入った日は小雨が降っていましたが、この日は曇りでした。
しかし、日の出とともに至仏山を隠していた雲が、
風に流れて消えていってくれたのです。

朝の至仏山

朝の光の差し方は、昼間のそれとはまったく違います。
水平に近いところから陽が差してくるため、
光と影のコントラストがはっきりし、そこに雲の動きも加わって、
見える景色が秒単位で変化していくのです。
だから山に登ると朝夕はついつい景色に見とれてしまいます。

さて、竜宮小屋で朝食を食べた後はアヤメ平に登りました。
ここは稜線上に池塘が点在する湿原で、
20年ほど前、山登りの超初心者だった頃に登ろうとした場所です。
雨の中を重いテントを背負って歩き始めたものの、
10分くらいで自分の軽装ぶりに危険を感じ、
登るのを断念して引き返したのです。
今ならありえないことですが、ただの運動靴を履いてたんですよ。
雨合羽もビニール製のものでした。
受験にたとえるなら、
教科書の太字すら覚えずに入試に挑んだって感じです。
試験開始10分で退席しただけまだマシですが、あまりにも無謀でした。

山岳部とかに入っていたわけではないので、
靴や雨具の重要性に気づいていなかったのです。
いや、たぶん本では読んでいたのでしょうが、
実際に痛い目に遭うまではナメていたのでしょう。
まるで無邪気な受験生を見るようです。
ほんと、なんでも同じですよね?

尾瀬の話は明日も続きます。