奈良県に入って最初に向かったのは明日香村でした。ここはだいぶ前に自転車で走り回ったことがあります。なので今回はその時見逃したところだけ行きました。まずは飛鳥資料館です。
敷地に入ると周辺で見つかった石造物のレプリカが目に入りました。その1つがこれです。
「酒船石(さかふねいし)」と呼ばれているものです。はじめ酒造りのための石組みと思われてこう命名されたのですが、実際には単に庭園に水を引くだけの石組みだったようです。作られたのは斉明天皇のころでした。ちなみに噴水の石組みまであるんですよ。
この「酒船石」は大学入試ではめったに出されませんが、早稲田では記述で出ました。例によって考古学好きの青学でも出されています。
さて、館内に入ると高松塚古墳壁画とキトラ古墳壁画についての展示が目を引きました。もちろんどちらもレプリカですが、古墳内部に入った気分を味わるような展示でした。、しかも二つの壁画のちがいを表にするなど、なかなかおもしろい趣向となっていました。
ほかに目を引いたのはこちらです。
これは写真問題の定番ですね。興福寺仏頭(レプリカ)です。
館内に山田寺の回廊が展示されており、そのつながりで山田寺の本尊であったこの仏頭(のちに興福寺に奪取された)が展示されていたのです。興福寺にある本物は後頭部が見えないようになっていましたが、こちらは丸見えでした。
見てはいけないものを見てしまった気分です。
ここを出た後はキトラ古墳に向かいましたが、途中で天武・持統天皇があったので立ち寄りました。夫婦いっしょに葬られているというのはなかなかイイですよね。しかも形が八角墳です。もっとも一周してみても草に覆われていて八角形であることは実感できませんでした。「天皇陵」ですからもちろん柵の中には入れません。
いっぽうキトラ古墳のほうは天皇陵ではないため、しっかり整備されていて形がよくわかるようになっていました。
きれいな円墳ですね。石室内部にはこんな感じです。
この隣にはキトラ古墳壁画体験館「四神の館」が併設されており、ダイナミックな映像で壁画を紹介していました。それは撮影できなかったので、飛鳥資料館で撮った写真で説明しましょう。
石室内の四方の壁には、東西南北にそれぞれ青竜(せいりゅう)・白虎(びゃっこ)・朱雀(すざく)・玄武(げんぶ)の四神(しじん)が描かれています。
これは白虎です。
高松塚古墳の石室にも四神は描かれていますが、あちらは南面が破壊されてしまったため朱雀がありません。いっぽうキトラ古墳は四面とも絵がのこっていました。その肝心の朱雀がこれです。
まるで「火の鳥」ですね。
そして天井には天体図である星宿(せいしゅく)が描かれています。
野暮ったい表現ですが、なかなかロマンチックなことをしてると思いませんか?
おまけとして先日、ウユニ塩湖で見た南十字星の写真も載せておきますね。
黄色い十字の端に星が4つあるのが見えるでしょうか。すみません。三脚なしのコンデジではこれが限界でした。さすがにこれは入試に関係ありません。