先日、こんなメッセージをいただきました。
<Oさん>
春期講習に河合塾の○○(編注:校舎名が入ります)で先生の授業を初めて受けた者です。そして、4月からのレギュラー授業もお世話になる予定です。
本題ですが、新学期になり学校の日本史も授業が始まり、『進研WINSTEP 日本史B[改訂版]』という教材を学校でまとめて発注すると言われました。全員絶対ではなく希望者だけ買えばいいと言いながら、『進研WINSTEP 日本史B[改訂版]』は難関大学を考えているのならば直前期のまとめの時期に必ず必要になってくるとも話していました。
ぶっちゃけると、春期講習受けてから学校の先生の日本史に関して言うことが100パーセントは信用できなくなってしまいました。本当に『進研WINSTEP 日本史B[改訂版]』が必要な教材なのか教えていただきたいです。よろしくお願いします。
<石黒>
こうした学校で紹介される教材は、基本的に予備校に通わない人のためのものだと考えてください。河合塾の通年授業や講習を受講するなら、必要ありません。必要なのは参考書・まとめ的要素をもつ教材ではなく、純粋に問題集です。
先生も「直前期のまとめ」とおっしゃっているように、まとめノート的なものを持っていない人が使うと良い(かもしれない)ものなのです。
予備校で「40面ノート」を作っていくのですから、そちらに専念した方がずっと合理的です。他のまとめノートを併用すると、時間・労力のムダになるだけでなく、記憶が混ざって障害をおこします。ご注意ください。
あたりまえのことですが、大学入試の日本史対策は、何をもとに学習するかで結果がまったく変わってきます。当然、入試に即してつくられた教材を使うのがベストです。しかし、教科書はそうなっていないし(そうなる必要もありませんが)、市販の参考書もズレていることが多いです。「そんな細かいズレなんて気にしねーよ」とおおらかに行く人はかまわないのですが、僕はわりと几帳面なので、出題率とのズレがある参考書はまったくお薦めしません。また、上のような用語をまとめた教材は、いくつも使うべきではありません。記憶の障害がおこって学習効果がマイナスになってしまうからです。趣味の日本史ならいざ知らず、大学受験のための日本史は効率優先でいくのが良いと思います。