2015年早稲田大商学部(2/21)ちょっとだけ解答速報

<Sさん>
先生の講義を受講していたSと申します。昨日早稲田大学の商学部を受験しました。その日本史の問題の中で、これは作問ミスではないかと思うような問題がありました。教えて頂けますでしょうか。

<問題>
下線部トの分野で有名であり、第8代将軍徳川吉宗からの下問を受けたこともあった
長崎の商人の著作はどれか。(下線部トは史料の文中の天文地理です)
1.『都鄙問答』 2.『商人嚢』 3.『玉くしげ』 4.『広益国産考』 5.『稽古談』

答えは西川如見の『町人嚢』なのではないかと思ったのですが、選択肢が『町人嚢』ではなく、『商人嚢』になっていたので間違っていると思いました。予備校の解答速報では2が正しい答えとなっているのですが、いかがでしょうか。宜しくお願いします。

<石黒>
まず、設問にある「商人」とは西川如見と思われます。そして、選択肢2以外はいずれも「天文地理」「長崎商人」「吉宗時代」という条件に合わない人たちによる著作なため、どう考えても正解にはなりません。大学側が2を正解としていることは間違いないです。さて、Sさんにお尋ねしたいことがあります。西川如見の著作に『商人嚢』がないと言う根拠はありますか? 僕も主な辞書類を当たってみましたが、そんな本は見つけられませんでした。でもネット検索ではヒットしますね。もっとも、素人が『町人嚢』を誤記してしまっている可能性も高いのですが(苦笑)。
というわけで、西川如見の専門の研究者とかでないと、これを作問ミスと断言することはできません。ここは、他の選択肢の作者やその書かれた時期を考えて、消去法で2と解答すべきでした。

もしかしたら大学側から作問ミスと発表されるかもしれません。1点差で不合格だった場合には、調べまくって「こんな本ないじゃないか!」と突撃するのもアリですね。

<Sさん>
早速に有難うございました。早稲田なので、際どい問題が多いため、商人嚢を見て、これはひっかけだな・・と思って、すぐにこれは違うと判断してしまいました。他の選択肢も明らかに違うと思いましたが、商人嚢は絶対に違うと思い込んでしまいました。商人嚢が無いと言う根拠はありませんが、ネットで調べてみた限りでは、町人嚢と百姓嚢しか出てこない・・・くらいの裏付けしかありません。大学側から作問ミスが発表されることを願うばかりです。お忙しいところ、有難うございました。

残念ですが、早稲田の傾向を正しくつかんでいないと思います。早大入試では、1文字だけしか違わない造語でひっかけるという姑息な問題はほとんど出ないのです。そういうことをするのは上智大とかですよ。過去問をただ解くのではなく、各大学の特徴を知るために解くべきです。でもそれは、プロからのアドバイスがあって初めてわかることです。
だから夏期講習や冬期講習で演習講座があるわけです。早慶上智のための問題解説では、伝えたいことがたくさんあります。新受験生のみなさん、「うまく」受験勉強を進めましょう!

【2/26追記】
その後大学当局から、この設問は受験生全員に得点を与えるという発表がありました。

でる日講義

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