出直し北アルプスの報告(2)

昨日の山登りの記録の続きです。受験生はスルーしてください。

[動画]阿曾原温泉

ここの温泉も豪快です。湯船は一つだけで、男女は時間差で入ることになっています。映像の最初に見えるトンネルは、ダム建設の際に作ったもので、温泉が湧き出したところです。内部はこんなふうになっています。

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ここは有害なガスも発生しているため、お湯を外に引っ張ってきているわけです。
温泉には誰もいませんが、そもそも小屋に泊まった客が僕だけでした。そのため夜は小屋の主人の晩酌に付き合うことになりました。おかげで富山名物を食べさせてもらえました。

翌日は、仙人谷(せんにんだに)ダムを経由して剱岳方面の池の平に向かいました。今回は、北アルプスを東から西へ横断する旅なのです。尾根縦走ではないので、山脈を上り下り、上り下りしなければなりません。なかばトレーニング登山でした。

さて、仙人谷ダムでは地下施設内を通ります。その際に、阿曾原から続いている地下道をのぞいてみました。映像の最初に見えているのはトロッコです。

[動画]仙人谷ダムの地下道

これが作られたのは日中戦争の頃で、地下の高熱でダイナマイトが自然発火するなどして、多くの人が亡くなっています。その中には朝鮮からやってきた労働者もいたようです。水平歩道も今ほど道がよくなかったため、谷底に転落した人は数知れずです。

この日にすれ違った人は一人だけでしたが、仙人谷を登っているとサルの群れに出くわしました。後で聞いたところによれば、女性や老人相手だとなめてかかって、石を投げつけることもあるそうです。僕は例によって「あー、あー」と声を出しながら、ガシガシ登りました。

池に映る剱岳が美しいとのふれこみの仙人池ヒュッテにたどり着きましたが、ガスがかかっていてまったく見えませんでした。昼飯として牛丼を注文した際に、あまり食料を持っていないという話をしたところ、山岳警備隊が置いていった乾燥パスタを2袋下さいました。ひもじく見えてしまっていたのでしょうか。
この日のゴールである池の平小屋に着くと、またもや雨が降ってきたので、この日も小屋に泊まることにしました。ここは剱岳北方稜線という難ルートを登る人たちが利用する宿で、僕以外の7人のお客さんは、みなそこを登る人たちでした。驚くことにそのうちの4人は60代の女性でした! 肩身の狭い思いというのはこのことです。おばさまたちが翌朝、3時起きで出発するのを見送りました。そういえば、朝食に乾燥パスタを食べていたら、おばさまの一人が自分の朝食のおにぎりを1個下さいました。どこか不憫に思われたのかもしれません。

というわけで僕は真砂沢に下っていきました。途中で見えた剱岳がこれです。

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そして今度は剱沢大雪渓を登ります。ほんとに上り下りの登山なのです。ところが、ここでガスに巻かれたのです。例によってアイゼンなしで、すれ違う人もいません。ルートを示す印もないため、5月の雪山登山で歩いた記憶を頼りに、右往左往しながら登っていきました。

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というわけで、今回は北アルプスを横断しつつ、日本三大雪渓の二つを登る登山となりました。大きな雪渓では夏でも軽アイゼンは必要ですね。ツルッといったら止まれるとはかぎりませんし、下の人を巻き添えにしてしまう恐れもありますから。石を落としてしまったら大迷惑です。往来の激しい白馬大雪渓では、高速で石が飛んでくることがあるそうです。頭にぶつかって即死した人もいます。いたく反省しました。

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剱沢も晴れ上がればきれいに剱岳が見えるんですけどね。