独学で奮闘している受験生にとって、覚えるモトとなる「まとめ」をどう作るかが、ネックになっているようです。40面ノートに匹敵するような、歴史事項が覚えやすい形でコンパクトにまとめられていて、かつ入試の出題状況に沿って用語が取捨選択されているものは、市販のまとめノートの類にはないからです。
地方で、当方の映像教材や参考書を使ってくださっている方から、こんな質問をいただきました。
<Hさん>
(前略)まとめノートについて質問です。「つながる近現代」のノートをある程度復元できるようになり、まとめノートの効果を実感しています。近現代については「つながる近現代」と「経済・外交史(近現代)」のまとめを覚えていく予定ですが、前近代のまとめノートをどうするか悩んでいます。
まとめノートの利点は、ノートの枠組みとできごとの配置を覚えることでその時期や因果関係、背景などを効率的かつ正確に把握できることにあると思っています。しかし市販のノートでは(石黒先生のまとめと比べているからかもしれませんが)出来の悪い物が多く、その利点を感じられるものが見つかりませんでした。
そこで前近代については「経済・外交史(前近代)」のまとめプリントを覚え、政治史は「読むだけ日本史」と「難関大用語集解」、問題集に留めようと思っているのですが、慶應レベルでは危険でしょうか。
ご意見よろしくお願いします。
<石黒>
前近代のまとめについては、H君が想定している方法では、やはり心配です。
たしかに、市販のまとめノートが、当方のものとくらべて見劣りするのはわかります。しかし、例えば奈良時代なら、藤原不比等→長屋王→藤原四家……といった政権担当者別の整理が必要ですし、鎌倉時代だったら執権別に整理する必要があります。浜島書店の図説の所々に入っているまとめなどを元にして、もう少し区切れ目がわかるように、境目を太線で区切ったりすき間を空けたり、または色を塗りかえたりして、覚えやすいように使うと良いと思います。
自力でゼロからまとめを作るのは時間がかかるばかりなので、あまりおすすめしていません。基本的なものはまとめをベースに覚えて、『難関大用語集解』や問題集などの肉付け情報は、まとめに整理しきらず頭の中だけで留める方法でも、H君ならいけるかもしれません。日本史に割ける時間を考えながら、工夫してみてください。
まとめ作りに関するエントリーは、明日も続きます。
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