早稲田法学部の問題について、お二人から質問をいただきました。
<Nさん>
お久しぶりです(^0^)と言ってもまだ1回しか質問してないので忘れられてるかもしれませんけど(笑)2012年の早稲田法学部の問題を解いてみたのですが、質問があります。
IIIの9で、下線e(ハーグの万国平和会議)について正しいものを選べ。
あ、この会議はロシア皇帝の提唱で開催された。
い、この会議は世界初の万国平和会議だった。
う、韓国国王はこの会議に密使を送ったが、列国に無視された。
え、日本全権はこの会議で軍備の縮小を提唱した。
お、日本とロシアの社会主義者はこの会議で握手を交わした。
となっていて、
あ→オランダで開催だから違う気がする
い→初かどうか怪しい
う→無視されたっていうのは授業で聞いた!
え→八八艦隊も同じ年だから縮小はなさそう
お→??
で「う」を選んだのですが、「う」の間違っている箇所がわかりません。忙しいとは思いますが、返信いただけたら幸いです。
<石黒>
これは大変な難問でした。「う」は「韓国国王」ではなく「韓国皇帝」なのです。それに対して、「あ」は世界史の教科書レベルでとらえると正文なのです。この時は第二回の会議で、アメリカが提唱したという場合もあるようですが。
<Hさん>
はじめまして、今年の早稲田法学部日本史受験をしたHと申します。実は先生がお作りになられた今年の早稲田法学部解答を拝見させていただきました。その大問三の問九のハーグ万国平和会議に関する設問での質問なのですが、私は答えは「う」だと思うのです。これには一応の根拠がありまして(とはいってもWikipediaですが)、確かにハーグ万国平和会議はロシア皇帝によって提唱されたらしいのですがそれは第一回(1899年)の話であって、第二回(つまり1907年)は米国務長官ジョン・ヘイの提唱と書かれてあるのです。だから「う」だと確信したのですが、「う」は「う」で韓国国王でなくて韓国皇帝の可能性も否定できません。本当はどうなのか教えていただければ幸いです。長文すみませんでした。
<石黒>
僕も最初は「韓国国王」となっているのを見過ごしてしまったのですが、やはりここはツッコむべき部分でした。なぜなら朝鮮は「大韓帝国」となった1897年に、国王を「皇帝」に変えているからです。細かいことに見えるかもしれませんが、受験日本史では「大韓帝国」となった年代まで普通に出題されているので見過ごすわけにはいきません。しかも、このハーグ密使事件の後に「皇帝」が退位させられたことも有名です。いっぽう、第二回の万国平和会議がアメリカの提唱によるものだという記述は、見かけないことはないのですが、高校世界史の用語集などでも「ロシア皇帝」の提唱となっています。やはりWikipediaが根拠というのでは、弱いです。
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