早稲田の過去問から(4)

引っ越し先のマンションは、陽の当たるベランダがあるので、
ようやく堂々とベランダ菜園ができるようになりました。
今までは、マンションの階段や踊り場で、
肩身を狭くしながらやっていたのです。
そして、原稿などで忙しいにもかかわらず、
10月蒔きのものだけは、無理して種蒔きしてしまいました。
基本的に植物も出版物も受験生も、
「育つ・実る」系のものが好きです。

さて、今日も一つ早稲田の過去問を紹介します。
2009年早稲田大文学部の問題です。

問 4代将軍家綱の治世に関する記述として,間違っているもの1つを選び,該当する記号をマークしなさい。
ア 宗門改めの制度が広く実施されるようになった。
イ 由井正雪らの幕府転覆計画事件が発覚した。
ウ キリスト教の禁止は続行した。
エ オランダ商館長が海外情報を幕府に提出した。
オ 日本史の通史『本朝通鑑』が完成した。

<Tさん>
河合塾藤沢現役館のTです。土日でたくさん過去問解いてます。40面ノートはほんとに素晴らしいです。えっと、本題ですが2009年早稲田文学部の〔4〕の問3の問題で(中略)ア、イ、ウ、エは消去できると思いオにしました。赤本の解答を見たら正解はイで3代将軍徳川家光の死後まもなく発生し後に家綱が4代将軍となったとありました。でもノートは家綱の欄に入っているので間違いないと思い辞書で調べたら家綱の時代でした。やはり赤本は間違っているということでしょうか?授業中に喋っていたらすみません。引っ越しが落ち着いたらでいいので教えて下さい。

<石黒>
これは各予備校の解答が割れた問題です。
僕も derutoko.com を見てもらえばわかるとおり、
解答はイとしています。
3代将軍家光が死去したのが1651年の4月で、
4代将軍家綱が将軍宣下をうけたのが8月です。
由井正雪の乱がおこったのは、
そのすき間にあたる1651年の7月なのです。
ふつうはこれを4代将軍の時代のできごととして出題するので、
ノート上では4代将軍の枠の中に書いています。
しかしこの問題の場合、他の選択肢が正文と考えられるため、
作問者が4代将軍の治世を厳密に区切っているのだろうと判断しました。
ちなみに代ゼミは解答をア、駿台はエまたはア、
旺文社はエとしています。
何かしらの根拠があるのでしょうが、
僕としては作問者も想定しているため、イ以外は正文と考えます。
(後略)