引っ越しも一段落して、例の文庫本の原稿も大詰めを迎えています。
なんと、すでに発売日も決定しているそうです。
編集者からプレッシャーをかけられています。
その一方で、今年の入試問題のデータ入力も始めました。
直前講習の大学別対策や、
『MARCH学習院あるあるチェック』の作成に向けて、
入力を終わらせる必要があるのです。
そのうえ来週からは、新たな業務もはじまります。
てんてこまいとはこのことです。
さて、先週、おもしろい質問を受けました。
<Kさん>
普段 南浦和の河合で石黒先生の授業をとっている者です。今年で韓国併合100周年だから、入試では韓国併合あたりが狙われる!と担任(日本史教師)が言っていました。すべての範囲を満遍なく学習できていれば何ら問題ないとは思うのですが、これは多少なりとも意識した方が良いのでしょうか?丁度いい機会なので質問させていただきます。
<石黒>
この「○○周年」というのはくせ者で、
本当にそれで出題率が高まるときとそうでないときがあります。
以前に大津事件が出題率1位となった1994年入試は、
条約改正そのものが頻出した年でした。
たぶんそれは、1894年の日英通商航海条約から、
100周年だったからかと思います。
しかし、その後も100周年ネタが順繰りによく出たかというと、
そうでもないのです。
やはりK君の言うとおり、
「すべての範囲を満遍なく学習できていれば何ら問題ない」
と考えるのがベストですね。
たしかに成績の低い生徒を対象とした授業では、
「○○周年」などをエサにして注目させる教授法はアリだと思います。
しかし、実際には、
それほど「○○周年」で出題されているわけではないので、
早慶上智などのハイレベルな大学をめざす授業では、
あまりそればかり強調するのもどうかと思います。
どちらかというと、講師が出題データを持っていないために、
「○○周年」をネタに「来年はこれが出るぞ!」などと、
うそぶいていることが多いのではないでしょうか。