昨日のブログで
実は「これが出るんじゃないかな?」という幻想だけで、
入試まで突っ走っている人が大半なんです。
と書きましたが、
「たぶんそうした勉強になってるんじゃないかなあ?」
と思われる方から、質問メールをいただきました。
<Yさん>
石黒先生こんにちは。浪人生のYと申します。早稲田予備校でも河合塾でもなく駿台生です。いま、自分は難関大用語集解を買おうか迷っています。慶應法学部を目指していまして、英語は七割近く取れるようになり、日本史は六割がアベレージです。小論文がなかなか安定する物では無いので、いまの状況に不安を感じています。なので、覚えれば確実に得点を稼げる日本史に、もっと重点を置こうと考えて、新しい単語集を探しています。そこで先生にお聞きしたいのですが、難関大用語集解に載っている単語を全て覚えた場合、慶應の法学部では何割程度取れると見込めますか?安直な質問で申し訳ないのですが、結構高い買い物なのでなかなか踏ん切りがつかなくて困っています。また、慶法は山川の用語集、教科書からよく引用しているらしく難関大用語集解を買っても伸びるわけではないのかな?とも思ったり・・・また、他にもお勧めの用語集があればお願いします。参考までに、去年の試験では早稲田社学が8割、商学部は7割で(去年は慶應は受けていません)、去年までは石川の実況中継、金谷の一問一答&史料集、浜島書店の新詳日本史(資料集)を主に使っていました。
<石黒>
お問い合わせありがとうございます。
『難関大用語集解』は用語集ではなく、
普通に受験日本史を説明している参考書です。
「用語集」という言葉のせいで誤解されがちですが、
タイトルは「令集解」からきています。
このため辞典のような用語説明の本ではありません。
PC用サイトでは、中身の一部を閲覧できますので、
よろしければご覧ください。
『読むだけ日本史(1)』『日本史でるとこ攻略法』『日本史事始』に
登場しなかったハイレベルな用語を集め、単元ごとに説明し、
実際の出題例を挙げてポイントを明確につかめるようにしたものです。
ただし、文化史は『でる日講義−とことん文化史−』で
網羅しているため扱っていませんし、
近現代も『受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史』で
網羅しているため扱っていません。
そのため『難関大用語集解』だけで、
慶應法学部の正解率がどうなるかは調べておりません。
そもそも年によって難易度が異なりますし、
とりわけ2010年度入試は難易度が高めでした。
というわけで、上記の当方の教材を使っていただければ、
慶應法学部の合格ボーダーを超えるのはあたりまえですが、
当方としては早慶上智で9割正解をめざしているとしか言えないのです。
あしからずご了承ください。
ところで慶應は確かに用語知識の量が合否を分ける大学ですが、
それを習得するために用語集を使うというのは、
あまり効率が良いとは思いません。
ムダな用語がたくさん入っているうえに、
時期による体系的な整理ができないからです。
というわけで、お勧めできる用語集はありません。
ちなみに慶應法学部が山川の教科書からよく引用しているというのは、
ご自分で確かめて納得されたことでしょうか?
どのくらいの割合をもって「よく」と言っているのかわかりませんが、
あまり鵜呑みにしない方が良いと思います。