南浦和からのメッセージ2010(5)

今週は、前半は荘園の話で平治の乱までやりました。
いよいよ古代史が終わったので、たくさんの問題に取り組めます。
A~Cランク用語のチェックは『読むだけ日本史(1)』でできますが、
心配なのは授業の内容が理解できているかどうかです。
正誤問題の誤文は大きく3つのタイプに分けられます。
 (1)語句誤りタイプ (2)時期誤りタイプ (3)内容誤りタイプ
このうち(2)が見極められない人も多いのですが、
それは今後、時期別のまとめを使っていけば定着していくでしょう。
しかし、(3)の内容誤りタイプの正誤問題が解けない場合は、
古代史をもう一度理解し直さなければならず、
かなり時間がかかってしまいます。
録音を聴き直すなんてなったらオオゴトです。
予備校の授業を受けても、理解が足りていないという人は結構います。
そのペースで授業を受け続けると、
中世も同じく理解不足で撃沈します。
授業の吸収度合いを修正するなら、早い方が良いですよね?
だから古代史が終わった今こそ、
自分の理解度をチェックすべきなのです。
derutoko.com には
『あるある正誤問題−センター試験編−』があります。
正誤問題を3つのタイプに分けて編集しているので、
まず古代史部分を解いてみてください。
そこでセンターレベルに到達していることが確認できれば、
次は難関私大の過去問に取り組めますよ。
赤本は遅くとも6月には始めてもらいたいと思っています。

前ふりが長くなりましたが、今週のメッセージにコメントします。

<Tさん>
荘園むずかしいです。

<石黒>
だと思います。
この部分は理解できたかどうかを、
他の範囲より多めに問題を解いて確かめてみてほしいです。
「総合日本史演習(発展)」では、荘園の問題を追加して配布しますし、
『あるある正誤問題』にも土地制度の問題を多めに入れておきました。

<Nさん>
田の持ち主の名がゴチャゴチャだったけど、そこがスッキリしました!

<石黒>
田堵と名主の違いはもちろん、大名田堵と開発領主と在庁官人など、
まぎらわしいのがたくさんありますね。
これまた問題で試してみてください。

<Tさん>
荘園の部分は学校で習ったときは全然わからなかったけど、今日の授業でしっかりと理解できたのでよかったです!!

<石黒>
それはよかったです。
今日は微妙な表情の人が結構いましたから。
用語に慣れるという意味では、学校の授業は助かります。

<Sさん>
論述対策って、何か問題集で対策した方がよいのですか?テスト(定期テスト)に対する考えがかわりました。

<石黒>
定期テストに対する考えというのは、
「その場限りの記憶じゃあ入試には役立たない」ってやつですね。
そして論述対策ですが、どこの大学の論述対策かで全然違います。
法政大の論述対策については、以前にこんな記事を書きました
論述対策全般に関することなら何度か書いています。こちらをどうぞ。
https://derutoko.com/blog/20070628/000034
https://derutoko.com/blog/20081106/000037
https://derutoko.com/blog/20090122/000002
また、早稲田政経と慶應経済でしたら、derutoko.com では、
『きたえる論述−早稲田・慶應−』という問題集があります。

<Sさん>
5月から講座をとったのですが、1・2講を受けていないので、どのように勉強したらよいですか?

<石黒>
このブログやでるとこサイトを見てほしいのですが、
そもそも、ここを読んでいない可能性もありますよねえ……。

コメントついでに、授業後の質問を一つ紹介します。
Z会の問題集『日本史100題』の問題で、
鑑真が授戒した天皇が問題になっていました。
ところが授業で話した内容とは逆の人物が答えになっていて、
「どういうことなんですか?」という質問をされたのです。
僕は問題を見て、
「これ、大学が作った問題なんだろうか?」といぶかしみ、
出典を探したのですが、どこにも大学名は書かれていません。
あいかわらずZ会はオリジナル問題を掲載しているのでしょうか。
それが入試に直結している問題なら良いのですが、
どうも??? といった感じがします。
首をかしげてしまうのは、解説も、です。
質問に来た彼女も「解けない問題が結構あります」と言っていたので、
たぶん授業やノートに登場しない内容が、
いくつも問題になっているのでしょう。
なんでも学校で配布されたものなんだそうで、
定期試験の出題範囲にもなっているそうです。
なるほど、学校の先生もこの問題集を信奉しているわけですね。
実際の入試問題をベースにした問題集で、
出題率に沿って用語が太字になっている解説でなければ、
演習をする価値はないように思います。