予備校講師の見分け方(2)

受験生が講師の良し悪しを判断する観点はいろいろあると思います。
さすがに、話の「おもしろさ」で判断するのは、
小学生くらいなものですか。
高校生以上なら「わかりやすさ」が最優先の判断基準でしょう。
でも本当に難関大をめざすなら、それだけではもの足りないはずです。
いくらわかりやすくても、
レベルが低すぎたら当然合格できませんから。
趣味でやる日本史と受験日本史では違うのです。
受験日本史で肝心なのは、次の3つだと考えます。

 (1)情報−何を覚えるべきか
 (2)理解−どういう点を重視して理解するべきか
 (3)記憶法−どういう方法で記憶を定着させるか

まず、なによりも(1)を無視することはできませんよね?
正確な出題情報をベースとした授業でなければ、
わざわざ予備校で受講する意味がありません。
僕にとっては基本中のキホンです。
でも、その情報さえ持っていれば良い講師ってものでもないでしょう。
なぜなら、各用語のポイントや、
解答を導き出すプロセスを勘違いしていると、
いくら用語を覚えても効果は薄く、結局撃沈してしまうからです。
ゆえに(2)も欠かせなくなってくるのです。
これは「解答力」とも言うべきチカラです。

また、あなどれないのが(3)です。
難関大受験に必要な日本史用語はゴマンとあります。
それをどう定着させるか。
よくいるのは、自分が過去にやってきた勉強法を、
そのまま生徒に押しつける先生です。
ただ単に「何度も書きなぐって覚えろ!」と叫んだり……。
そのやり方が、どんな生徒にも通用すると考えているところに、
工夫のなさを感じます。
講師はもっと高みに立って、より良い記憶法を探るべきです。
まぎらわしい用語にひっかからないような「覚え方」を提示したり、
各用語の時期が自然と定着するような「まとめ」を、
提示するべきだと思います。

こう考えてくると思いいたることがあります。
講師を比較したくなるのは当たり前ですが、
さまざまな観点があるため、
単純に良し悪しは言うことができないのです。
とりわけ(1)や(2)については、
各講師の力量を見極めるのは至難の業です。
正しい情報を持たずして、比較できるわけがありませんから。
だからといって騙されるのはたまりません。
ゆえに、過去問によるチェックが欠かせないのです。

これだけウソの多い世の中だというのに、
他人が言うことを鵜呑みにするなんて、
単に考えることを面倒がって放棄しているだけです。
落とし穴にハマっても、それは自己責任ですよ。
ウソ・ハッタリを見抜く、
現代版の盟神探湯が必要とされているのです。

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