『聴くだけ日本史』物語(4)

4日連続で続いてきたこの話もこれで最後です。
今日は、実際の時期判別問題をお見せしましょう。
2008年上智大(経済・神)の問題です。

問 語群(1)~(30)について,それぞれに1つだけ他と異なる時期の文化の用語が混在している。その用語を(1)~(5)から1つ選びなさい。

語群
(1)
(1) 毛越寺庭園  (2) 西芳寺庭園
(3) 天竜寺庭園  (4) 大徳寺大仙院庭園  (5) 鹿苑寺庭園

(2)
(1) 興福寺十大弟子像  (2) 法隆寺夢違観音像
(3) 薬師寺吉祥天像  (4) 聖林寺十一面観音像
(5) 東大寺執金剛神像

(3)
(1) 室生寺五重塔  (2) 石山寺本堂
(3) 平等院鳳凰堂  (4) 法界寺阿弥陀堂
(5) 平等院阿弥陀如来像

(4)
(1) 凌雲集  (2) 性霊集  (3) 経国集  (4) 閑吟集
(5) 文華秀麗集

(5)
(1) 富貴寺大堂  (2) 今昔物語集  (3) 興福寺五重塔
(4) 白水阿弥陀堂  (5) 中尊寺金色堂内陣

(6)
(1) 水鏡  (2) 元亨釈書  (3) 愚管抄  (4) 義経記
(5) 禁秘抄

(7)
(1) 春日権現験記  (2) 法然上人絵伝
(3) 一遍上人絵伝  (4) 慕帰絵詞  (5) 北野天神縁起絵巻

(8)
(1) 支石墓  (2) 須恵器  (3) 群集墳  (4) 横穴式石室
(5) 装飾古墳

(9)
(1) 方丈記  (2) 東関紀行  (3) 河海抄  (4) 海道記
(5) 十六夜日記

(10)
(1) 地獄草紙  (2) 病草紙  (3) 福富草紙  (4) 天狗草紙
(5) 餓鬼草紙

いいかげん飽きましたよね?
でもこれでまだ3分の1なのです。問題は30番まであるんですから!
さすがに全部を紹介するのはやめますが、
これを見た受験生はどう思ったのでしょうね。
文化史のオニである上智の傾向をつかんでいれば、
当然対策しているはずですが、
最近の赤本は2年分しか問題を載せていないので、
誰かのアドバイスがなければ気づかないかもしれません。
そういう意味で大いに点差のついた問題だと思います。
30問も解いているうちに打ちひしがれたら、
他の問題にも精神的ダメージを引きずって、
つまらないミスをしてしまいそうです。

十分な対策をして受験にのぞんでください。
解答はこちらです。

(1)(1) (2)(2) (3)(1) (4)(4) (5)(3)
(6)(4) (7)(4) (8)(1) (9)(3) (10)(3)

このうち(10)だけが難問です。
なので9問正解できればすばらしいと言えます。
(7)と(9)も難しめですが、わずかに出題例があるため、
『でる日講義−とことん文化史−』では扱っています。
というわけで、最低7点は取りたい問題でした。
ちなみにこの後に続く20問にも、
ハイレベルな問題がちらほらあります。
本気で難関大を考えている人は、油断なきよう願います。

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