再び越後湯沢へ(3)

昨日の問題は、自分でも意外とおもしろい作問じゃないか、
と思ったのですが、解けたでしょうか?
まだ、昨日の問題を解いていない人は、この続きを読む前に、
ぜひ、昨日のエントリーをお読みください。

平標山から見た平標新道

こういう池塘や小道を上から見おろす景色に弱いです。
ムーミン谷が描かれたハンカチを幼稚園の時に使っていたので、
その影響があるんだと思います。


正解は、イです。

第四銀行の前身が「第四国立銀行」だと気づけば、
答えが導き出せたのですが、どうだったでしょう?

国立銀行条例にもとづく銀行は、日本銀行が設立されると、
普通銀行に転じていきました。
その際に「国立」という言葉が消えて、
たとえば第一国立銀行は、第一銀行に、
第十五国立銀行は、十五銀行に名称が変わりました。
これらの銀行名は、40面ノートの35番ページに出てくる話です。
それを知っていれば確実に、
第四銀行の前身は「第四国立銀行」だとわかるでしょう。
知らなくても推測できるかもしれませんが。

次に、国立銀行条例にもとづいて設立された銀行が、
初めは4行しかなかったことを思い出してください。
国立銀行の設立ブームがおこって153行にまで増えたのは、
1876年に国立銀行条例の改正で、設立条件が緩和されてからです。

そうすると第四国立銀行は最初の4行の一つに見えてきませんか?
ということは、1876年までに設立されているってことです。
選択肢を見くらべると、ちょうど良さそうなのがありますね。
第一国立銀行の設立は1873年ですから、
そこから国立銀行条例が改正される1876年までの間に、
設立されたはずです。

ここではあえて設立年は教えません。
なぜなら第四国立銀行が何年にできたかなんて、
どうでもいいことだからです。
上の解答を導き出すプロセスが大切なのです。

近現代には、こうした長くてまどろっこしい解説を必要とする問題が、
難関大では出題されます。
これを執筆者や、講師が、
「第四国立銀行が設立されたのは○○年です」
と言ってしまうと、単にそれを覚えようとする受験生が出てきます。
そんな年代、そのまま問われることなんてないのに……。
単純解説でトクをするのは、執筆者と講師だけです。
みなさんが使っている教材や、受講している授業は、
そんな単純解説になっていませんか?

騙されている人は、もう少しオトナになって、
真実を見極める目をもたないと、
最短コースで難関大には合格できません。
せめて身近にいいアドバイザーがいると良いのですが……。

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