現在、ワセヨビでは「早慶難関大の日本史」という、
大変キツイ講座が行われています。
ひたすらハイレベルな問題を解説しているのです。
テキストは144ページもあり、
12ページある「意外と出る未見史料」以外は、すべて問題です。
その中には、過去の早慶の問題から小問単位で抜粋した、
55個の類題も含まれます。
僕としては受講生をきたえている感覚ですが、
受講生的には滝壺に何度も落とされるようで、キツイでしょう。
過去のスゴイ受験生の正解率に肝をつぶされるからです。
問題の解説と同時に、
実際の受験生からもらった入試問題をお見せしているのです。
たとえば、2005年の早稲田大学人間科学部の第1問で説明すると、
「適当なものがなければ、カと答えよ」という、
消去法が使えないくせに、正誤判別が難しい選択肢の嵐なんです。
しかし、これを当時の生徒は見事正解しています。
2問ミスが1人、3問ミスが2人という具合です。
全体としても85.9%の正解率をたたき出した人が2人いますね。
ところで先日、
早大文学部・文化構想学部志望の独学受験生から、
苦手な国語をフォローするために、
日本史で85%~90%を取れないか?
という質問がありました。
それに対して僕が書いた返信がこちらです。
<石黒>
どういう学習をしているかわからないので、
安易に判断はできませんが、
一般的に独学受験生が日本史で85%を越す正解率を出すのは、
非常に難しいかと思います。
過去問で8割正解、本番で7割5分というのが
よくある合格コースでしょう。
本番で9割取るためには、
過去問で9割5分取れていなければなりません。
学習が終わった範囲の過去問の正解率はどうなっているでしょうか?
もし、これからも勉強するから
「まだ上がるだろう」とのんきに構えているとしたら危険です。
骨組みと肉付けの2段階の学習を行う近現代ならともかく、
前近代でも2段階学習をするなら、
すでに現時点で2段階目に入っていなければなりません。
しかも、その2段階目は相当ハイレベルな内容であるべきです。
予備校で行う夏期講習では、
テーマ史対策や早慶大対策の講座で、
マイナーな用語の習得だけでなく、
難問を解くプロセスもつかんでもらっています。
それからあえて厳しい言い方をしますが、
「これを重点的に勉強しなさい」
というアドバイスを求めている時点で、
もう負けているようにも見えました。
早稲田を受験するからには、
derutoko.com 教材に登場している内容はどれも正解すべきです。
9割得点をめざすならなおさらそうだと思いませんか。
というわけで、むしろ苦手な国語の成績を上げる方が
合格への近道かと思います。
現代文はともかく、古文・漢文はきちんと学習すれば
確実に成績は上がるはずです。
そもそも国語を苦手としていたら、
文学部に入った後に困るかと思います。
周囲は国語が得意な人ばかりかもしれませんよ。
健闘を祈ります。