河合塾で近現代を乗り切る方法

河合塾では高卒生向けの通年授業だと、
一週間に360分もの時間が与えられています。
講義180分と演習90分という内訳です。
ところが、現役生だと150分しか与えられていないのです。
これにはさまざまな理由があるのでしょう。
「現役生は学校の授業があるからそれを補うだけでいい」とか、
「地方の校舎では授業終了時刻が遅いとバスがなくなってしまうから、
 授業時間を減らして早く終わらなければならない」とか。
150分でも週数が多ければ良いのですが、年間24週しかないので、
相当なスピードで講義をしなければなりません。
本当に「学校の授業を補うだけ」で良いとは思えませんから。
そもそも学校によって授業内容が違いますし。

これが2学期になると、さらに時間的に苦しくなります。
なぜなら近現代にあてる時間が1650分しか取れないのです。
近現代の出題が少ない関西圏の大学なら、
これくらいの時間で足りるのかもしれませんが、
関東の難関大を考えたら到底無理です。
全国展開している予備校ゆえのジレンマなのでしょうか。
ちなみに早稲田予備校では、2400分もの時間を近現代にあてています。
河合塾の生徒から、
「その落差はどうするんだよ?」って声が聞こえてきそうです。
大丈夫です。
さすが河合塾、ちゃんとカバーできるように、
夏期講習にカリキュラムを組んであるんです。
「日本史集中講義(近現代)」という900分もの講座です。
これで近現代の骨組みを習得して2学期の高速授業に備えるわけです。

ただし難点もあります。
僕が担当する他の講座も同じタームに設置されているので、
全部取ると4コマ連続授業になってしまうのです。
「早慶大日本史」の予習を前のタームにやり遂げていれば、
なんとか乗り切れるとは思いますが、決してラクではありません。
かなり日本史漬けの5日間となってしまうでしょう。
それが嫌だという人には映像教材をお勧めします。
今年は『でる日講義−つながる近現代−』に加え、
「総合日本史演習(発展)」のテーマ史講義に相当する、
『でる日講義−経済・外交史(前近代)−』も発売されていますから。

最後に映像教材と講習で悩んでいる人からのメールを紹介します。

<Iさん>
こんにちわ。お久しぶりです。前に一度質問させていただいたものです。実は、あれから、ワセヨビで、先生の日本史を受けてます。これから1年よろしくお願いします。ところで、今日は、夏期講習について少々質問があります。夏期講習の文化史とテーマ史講習のことなのですが、今、講習を受けるか、教材を買うかなやんでいます。教材の方が、少し割高?になってしまいますが、予備校までは、近くはないので、通塾時間などを考えると、教材の法が効率がよいのかなと思いました。そこでひとつ疑問に思ったのですが、とことん文化史の教材よりも、講習のほうが、今、授業で、おっしゃってるような、ここはどこ大でこうでたなどの最新情報がやはり、たくさんつまってるのでしょうか?お時間ありましたら、解答お願いします。

<石黒>
なるほどそうでしたか。気づきませんでした。
映像教材には確かに最新情報は入っていませんね。
ただ、ある大学で出たと言っても
すぐにまた同じ大学で出ることは少ないですから、
その大学に活かせるわけではありません。
出題データを挙げるのは、
どちらかと言えば受講生が軽んじがちなところを
「ここも出題されてるよ!」
と警鐘を鳴らす意味の方が大きいのです。
なのでモチベーションが高い人には映像教材でも十分なはずです。
ちなみに『でる日講義−とことん文化史−』については、
講義やテキスト(問題集)は予備校と同内容ですが、
「頻出用語でるとこチェック」という、
映像教材オリジナルの一問一答集が付属していることもあり、
予備校の授業料よりは、やや割高になっています。
生授業にも映像教材にもそれぞれ長所・短所がありますから、
よく考えて選んでください。