「売れる本」と「受かる本」

最近、某出版社から依頼されて、一般向けの本の企画を考えています。
受験参考書ではなく、広い読者層に向けての本です。
そして、どういう内容だったら売れるだろうか……と、
日々頭を悩ませているわけです。
日本史の本なんていくらでもありますから、
何かひと工夫しないと、売れないと思うんですよ。
大人のかたは、今、どんな日本史の本が読みたいのでしょうか?
社会人の方でご要望があれば、お知らせください。

一方、受験参考書の場合は、
ただ単に「売れればいい」という方針で作るわけにはいきません。
出版するからには当然売れてほしいと願って書くわけですが、
だからといって受験に役立たない本ではまずいのです。
いくらわかりやすくても、入試のレベルに達していなければ、
それは受験参考書とは言えませんよね?
テキトーなことはしたくない性分なので、
このジレンマにぶつかることがしばしばあります。
受験生が飛びつくような「売れる本」は、
必ずしも「受かる本」とはかぎらないのですよ。
でも、実際には、
「本屋に並んでるんだから、当然、受験に役立つのだろう」とか、
「早稲田に受かった先輩が勧めてるから、良い本なんだろう」などと、
無邪気に買う受験生が多いようです。

さて、見知らぬ方からこんなメールをいただきました。

<Iさん>
前年度に早稲田を落ち、浪人したものです。前年度は日本史受験でなかったので、浪人が決まってから日本史を始めました。金銭的な問題があり宅浪することになり、早稲田に独学で受かった先輩からアドバイスのもと、勉強をすすめています。
 (1)山川の教科書を何度も読む。
 (2)一問一答をやり、基本用語を暗記する。
 (3)Z会の「実力100題」などの問題集を用い、問題演習をする。
いままでこの通りにやってきて基本はできるようになったと思うのですが、過去問を解いても歯がたちませんでした。日本史では7割5分をとりたいと思っているのですが、このブログを見ていままでの勉強法が間違っているのではないかと思ってしまいました。もう7月であせっています。どうかこれからやるべきことを教えてください。お忙しいなか長文ですいません。よろしくお願いします。

<石黒>
ちょうど今日付のブログで勉強法を書いています。
青学という部分を早稲田におきかえて読んでみてください。
また、一問一答集やZ会の問題集の弱点も何度も書いていますので、
検索していただければすぐに見つかると思います。
GoogleやYahoo!などで、
「でるとこ攻略日本史blog」と、
気になる用語を並べて検索してみてください。
日本史初心者が、
独学で早稲田の日本史で7割5分取ろうというのは、
かなりハードルが高いと思います。
予備校に通っていてもなかなか大変なものです。
最短コースを模索してください。

出版社から出す本は、「売れる本」でないと出版社から怒られますが、
derutoko.com から出す教材は、
これからも地道に「受かる本」でやっていきます。
正直なところ制作費をかけすぎて、赤字覚悟の教材もありますが、
きちんとしたものを作っていきたいと思います。