歴検対策

日本史検定(歴検)についての質問がありました。
紹介します。

<Oさん>
 ご無沙汰しております。退役兵のOです。お元気でしょうか。先日までとある資格試験の勉強をしておりました。今現在、家におりまして畑を耕しております。晴れれば畑を耕し(耕運機ですが)、雨が降れば本(参考書やテキストですが)を読む。ここまで晴耕雨読を地で行ってもいいものかと思うくらいの生活でした。
 今度の12月に今年2回目の歴史検定があります。で、今度はそれを受けてみようかと思っています。で、テキストや参考書は当時のものをとってあるので、もったいない精神の塊である私はせっかくですのでそれらを使って勉強してみようと思っているのですが(流石に過去問くらいは買おうと思いますが)、何か気をつけなければいけないようなことはあるでしょうか。用語集は新しいものの方がいいとか、教科書とか基本書は新しいのを一冊買っておけとか。あ、先生の参考書は持ってますが。その時は特別使うかどうか分かりませんでしたがとりあえず買っておこうと(笑)。(中略)
 後もう一つ、普通の質問なのですが、最近「無文銀銭」と言うものがあると知りました。調べてみれば丁銀や豆板銀(懐かしー)と同じ秤量貨幣との事で(計数貨幣との説もあるようですが何れにせよ貨幣ということで)、飛鳥時代に使われていたと言うことですから富本銭よりも古いわけですが、これは最古の貨幣になるんでしょうか。流通貨幣は和同開珎でいいのでしょうが、最古の貨幣の座は富本銭でしょうか、無文銀銭でしょうか。また最近(2007年とか2008年)富本銭が発見されたそうで、この発見によって富本銭が最初の流通貨幣だという説も出たそうですが受験的にはどうなんでしょうか。あ、すいません、もう一つ。石神遺跡から万葉歌の最古の木簡が見つかりましたが、これはこれからなにか影響を与えるような事はあるでしょうか。
 受験生はますます架橋に入っていきますね。どうかくれぐれも日本史を得意にすることはいいけれども、日本史しか出来ないようにはならないように伝えてください。先生は勿論生徒もたいてい分かっているとは思いますが、失敗例はしっかりあるので(笑)。ますますのご活躍とご健康をお祈りしております。

<石黒>
O君、メールありがとうございます。
返信がかなり遅くなってしまって申しわけありません。
畑を耕しているとは、非常にうらやましい生活ですね。

さて歴史検定の件ですが、
だいたいは当時の参考書などでも大丈夫だと思います。
ただし、考古学系のことは捏造や新たな発見があって、
教科書のあちこちが書き換わっています。
このため、浜島書店の資料集(図説)や
山川出版の新しい教科書を購入して、
それらを確認するのがベターです。
それほど気にする必要はありませんが、
一度通読した方がいいかもしれませんね。

「無文銀銭」は受験的にはまったく無視です。
一方で、富本銭は天武天皇の頃に作られた貨幣で、
飛鳥池遺跡から出土したものとして普通に出題されます。
というわけで、和同開珎は皇朝十二銭の1つめではありますが、
最初の貨幣とは言えなくなりました。
ちなみに「最古の貨幣」はどれかは見解の分かれるところでしょう。
そうした問題は出題されません。
「万葉歌の最古の木簡」も無視ですね。
受験で扱われる最新考古学ネタというのは、
相当大きく話題になったものだけです。
これは歴検でも同じでしょう。
あとは、歴検の過去問を解いて、
どの程度の問題が出るのかを把握しておくと良いでしょう。
十分得点できるようであれば、
上記の件はまったく気にする必要はありません。

歴史検定に関しては、こちらのページ
よくある質問をまとめて紹介しています。
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