上智入試に必要なレベル(4)

上智大では特殊な形式の問題が出されます。
内容としても「我が道」を行くタイプの問題が多く、
上智大向けの「あるある問題」を作りたいと思っているほどです。
その上智大を志望する方とのやりとりを紹介します。

<Kさん>
でるとこ文化史非常に役に立っています。買ってよかった。Kです(そんな名乗られ方されても困りますよね)。私は事情が事情で受験勉強を意識したのが7月からなのですが、夏はバイトが忙しく9月の半ばからやっと落ち着いて勉強出来る時間取れたのですが、残された時間的にもやはり不安で仕方がないです。友人から受験生が本当に欲しかった問題集日本近現代史をもらい、その内容に驚きました。解説が詳しくて各用語を頻度別に意識して拾えるので取り組みやすいです(もちろん拾える限り拾うつもりですが)。日本史に関しては自分が大好きな分野以外はとにかく用語が抜けていて、分野によってはセンターの内容ですら迷う時もあります。この問題集で近現代の細かくてポロポロ抜けていた箇所を埋めることができそうです。やればやるほど思い出してきます。今は間違えた問題は解説にマーカーを引いて用語をいらない紙に書きなぐりしています。時間を短縮してなるべく多く繰り返し解いていきたいのでこのやり方を通しているのですがよいのでしょうか。それと今は確か前にも書いた覚えがあるのですが、あるある正誤やセンター過去問でミスした分野を読むだけで復習としているのですが、先生のblogを読む限り、古代~近世の範囲でちょうどいい問題集が見つからないので古代~近世の復習、理解度確認には過去問で大問別に解いても構わないのでしょうか。ただ、上のやり方の場合抜けてる時代が必ず出るはずなのでその場合は読むだけをひたすらチェックする形でいいのでしょうか。よろしければ何かアドバイスをいただきたいです。夜分遅くに長々と失礼致しました

<石黒>
まず、前近代の問題集には『日本史事始』を推奨しています。
次に勉強の仕方ですが、
「書きなぐり勉強」はあまりお勧めしていません。
時間が結構かかるからです。
また、複数の用語をまとめてわしづかむことを、
しなくなってしまう懸念があるためです。
それから『受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史』を、
繰り返し解くと言っても、
単純に一度解いた問題をもう一度解くなんてのは時間のムダでしょう。
そんなの解けて当然だからです。
「『受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史』を使い倒す」
というのは、あくまでも問題文中の赤字を赤シートチェックしたり、
「ノーマーク用語」を拾ったり、
解説の赤字を解けるようにするという意味です。
それができたら貪欲に過去問や別の問題集に取り組むべきでしょう。
上智受験なら内閣ごとの整理は絶対に必要ですから、
『聴くだけ日本史−内閣編−』も相当有効です。
どちらにしてもたくさんの用語を、
参考書の文章だけで頭に残すのは限界があります。
時期の整理ができないとか、
用語をまとめてわしづかむことがしにくいからです。
その弱点を十分わかったうえで学習を進めていってください。
また、最近の上智の赤本は、
2年分の過去問しか載っていなかったりするので、
できるだけ古い問題をたくさんといてください。
本気で上智だというなら、
5学部を10年分ずつ解いても悪くはないのです。
いつか上智大向けの『あるあるチェック』も出したいと思うほど、
過去問から上智ならではの傾向がわかるのですから。
独学受験生の合格最短コースは、
日本史正解率8割5分をめざしながら、
英語でそれ以上の高得点をはじき出す戦略です。
最難関大学受験にふさわしい奮闘ぶりを期待します。