『難関大用語集解』編集日記(7)

先日、この問題についての質問を受けました。
まず問題を解いてみてください。2005年早稲田大商学部の問題です。

問 室町時代の日朝関係について述べた文として誤っているものはどれか。
1.朝鮮から日本に大蔵経が多くもたらされた。
2.朝鮮は倭寇の根拠地とみなした対馬を襲撃した。
3.朝鮮に居留する日本人が宗氏の支援を得て暴動を起こした。
4.大内氏は朝鮮国王から通信符と呼ばれる通交証を贈られた。
5.宗貞盛は己酉約条を締結し,朝鮮貿易を行った。

その彼は何が気になったのかというと、
3の「宗氏の支援を得て」という部分なのです。
「三浦の乱の際に、宗氏が日本人を支援したのか?」
という疑問のようでした。
確かに疑問に感じるかもしれませんが、
この問題を解くこと自体はカンタンですよね?
もちろん正解は、時期違いの5です。
「室町時代の」という条件に合いませんから。

彼がどう間違えたのかは詳しく聞きませんでしたが、
後で思ったのは、
「やっぱり時期違いを見逃す人は多いんじゃないかなあ」
ってことと、
「正誤のわからない選択肢があっても、
 正解できれば気にする必要なんてないのになあ」
ってことでした。
実は、以前にも同じような質問があったのです。
ブログでも記事にしました。

この問題の赤本の解説がどう書かれているのかわかりませんが、
受験生はズバリなポイントをついて学習すべきです。
正解を出すために必要なことこそを覚えるべきで、
そうでないことなら、どんどん切ってしまってかまわないのです。
なんでもかんでもマーカーを引いている人はヤバイ人です。
その用語について「何を覚えるべきか」を、
気にしていないんじゃないでしょうか?

その点『難関大用語集解』は、
はっきりポイントを明示した教材に仕上げたつもりです。
本日、印刷会社に入稿の予定です。