明治大文学部ちょっとだけ解答速報

明治大文学の入試の質問に答えます。

<Yさん>
今日は明治の文学部の試験だったのですが、パリ不戦条約の史料が出されて、「それが調印された際の日本の外務大臣は誰か」と聞かれました。これはやはり田中義一と答えるべきだったのでしょうか?(満州某重大事件で辞職したのに外務大臣は続けてるのかな?)などと疑問に思ってしまい、内田康哉を書いてしまいました(∋д∈;)

<石黒>
もちろん田中義一です。満州某重大事件で辞職って、
それはパリ不戦条約が締結された後のことですよ?
満州某重大事件が起きてから田中内閣が総辞職するまでの間に、
パリ不戦条約の調印があったのです。
パリ不戦条約が田中内閣だってことは覚えてますよね?
冷静になって考えてください。
田中は天皇の不信任をかって、
外務大臣のみならず首相も辞めたのですよ。

<Tさん>
夜遅くにすみません。今日,明治大学文学部の入試で質問したい部分があったので教えていただけると嬉しいです。
しかくII
(慈円の説明文中です)また彼は,歌人としても優れた才能をもち,後鳥羽上皇の命によって編まれた勅撰集である[a]には西行についで多くの和歌が選ばれている。
問2.空欄aにあてはまる語を漢字で記せ。
私はわからなくて,源実朝の著書とわかっていながら金槐和歌集と書いてしまいました…家で調べると,拾玉集が答なようですが,これは覚えるべきでしょうか?ちなみに,××大学が第一志望です。××大学なら,慈円は頻出ですし,覚えるべきなんでしょうか?

<石黒>
設問を読むポイントがまったくズレています。
「後鳥羽上皇の命によって編まれた勅撰集」は何か?
という問題ですよ? 新古今和歌集以外ありえません。

これから受験だという方には強くお伝えします。
日本史用語を覚えていく時に、何がポイントなのかをつかまなければ、
それは徒労に終わるだけなのです。
そして、そういう方面に天性の勘がない人は、
常に問題集を解いて自分の弱点を補う必要があります。
そして、間違えるたびに、
「もっと授業を聴くべきだ!」と気づいてください。

Tさんの調べたというのは、たぶん電子辞書だと思います。
何しろ用語集には「拾玉集」なんて言葉は載ってませんから。
むしろ「慈円」のところに
「『新古今和歌集』の歌人としても有名。」と書いてあります。
実に電子辞書が受験日本史で役に立たないかがわかると思います。
また、Tさんは河合塾の生徒なんですが、
河合塾では、僕が直接文化史を講義する時間が、
他の予備校にくらべて圧倒的に少ないんです。
その影響が出ちゃったかもしれないな……と感じています。
河合塾生には『でる日講義−とことん文化史−』を強くお勧めします。