11日は明治政経の入試でした。
その問題の一部についてのやりとりを紹介します。
<Aさん>
明治政経の題問5の設問2
下線部(ア)に関して、シベリア出兵宣言がなされる前に生じていた米価上昇の背景にある理由として誤っているものはどれか。だだし、すべて正しい場合はEを選べ。
A寄生地主制の弊害による農業生産の停滞
B輸出増大による巨額の外貨獲得にともなう通貨流通制量の膨張
C急速な工業化と都市化による米消費量の急増
D第一次世界対戦の長期化による世界的な食糧不足
AとDで迷って、Aにしました。全体的に簡単だったので点差がついてるか心配です。お忙しいところ、また誤字脱字があったらすいません。
<石黒>
これはたぶんEです。
<Aさん>
Eですか…寄生地主制だと、米価は上がらないと勘違いしてしまいました。お忙しいところありがとうございます。書き取りに不安があることがわかったので、第一志望はたしか近現代が多いようなので、そこを詰め直したいと思います。
<石黒>
いや、そこじゃなくて、農業生産が停滞したら米価は上昇するでしょ?
山川出版の『詳説日本史』に、
「日露戦争後になると,地租や間接税の負担増のもとで,農業生産の停滞や農村の困窮が社会問題となった。」とか、
「大戦による急激な経済の発展は,工業労働者の増加と人口の都市集中を通じて米の消費量を増大させたが,農業生産の停滞もあって,物価とりわけ米価が上昇し……」とあるんですよ。
<Kさん>
11日の明治(政経)の問題は早稲田的な問題がありました。岩倉使節団の史料問題や古文知識で解く問題が印象的でした。特に『落窪物語』や『蜻蛉日記』などが出たときは「文学史やっといて良かった」って思いました。ところで『懐風藻』に大友皇子の作品が載ってるのはどうなのでしょうか?
<石黒>
あの文学史の問題は、
「正しいものがなければEを選べ」というのが難しかったですね。
正文と思われる選択肢でも、本当に正文と言い切るのは非常に酷です。
懐風藻には大友皇子作品も長屋王作品も掲載されています。
大津皇子の作品も掲載されていたことを覚えておいてください。
それにしても『MARCH学習院あるあるチェック』を
使ってくださった方、
入試会場で「金子堅太郎」を見て喜んでいただけたでしょうか……?
あれは過去問リピート問題ってわけじゃないんですよ。
見事に出題していただけました。
そしてヨロコビの声なら、またS君から届いています。
<Sさん>
上智−法学部でまたキましたよ笑 三十問、文化史と政治史の時代分け問題です。今、隣の人泣いてます…。あと「西暦何年?」問題が、10題ほどありました。さすが上智です。政治史の大問は平易でした。プリントを確認したら時代分類で少し間違えてしまったようなんですが全体で九割は大丈夫だと思います。
<石黒>
笑っちゃいけないけど、
「今、隣の人泣いてます…。」ってウケました。
緊張を緩めず本命までがんばってください。
報告どうもありがとうございます。
<Sさん>
お忙しいところ、返信ありがとうございます。帰宅して見直してみているのですが、経営学部の時よりはデキが悪いです。やはりまだ、文化史プリント・ノートの記憶が完璧で無いことを実感しています。上智のおかげで文化史プリントの記憶チェックができたので、来る早稲田の入試日までに、他教科と合わせてしっかりマスターしたいです。会場では赤本を(しかも去年の問題を…)復習している人がいて驚きました…。むしろ、そこは今年出る確率が限りなく低い用語たちでは…。恵まれた環境をいかして、最後まで石黒先生を信じて頑張ります!
<石黒>
いいことですね。
せっかく時間と労力をつぎ込んだ入試ですから、
他に生かさなければもったいないです。
経験から教訓を得ることは人生の基本ですし。
それにしても僕が見ることのできない受験会場の様子を教えてくれて、
いつもどうもありがとうございます。ほんとに笑えます。
でもくれぐれもあぐらをかかないようにしてください。
気を抜いた人から落ちていきます。
最終日の早稲田の試験に受かる人は、へこたれなかった人たちです。