昨日につづいて法政大の情報です。
まず、2007年の法政大の入試から、次の問題を解いてみてください。
農村では,1893年(明治26年)に農事試験場が設立され,農産物の品種改良など農業技術の向上がはかられた。この時期以降になると,交通手段の発達などによって農村に商品経済が浸透し始めた。
問 下線部(農村に商品経済が浸透し始めた)に関する次の説明の中から誤っているものを一つ選び,解答欄の番号をマークせよ。
1 その結果,農村の一部では,富裕化した地主による投機が見られるようになった。
2 農村では,米価の上昇に伴って小作料も上昇した。
3 生糸の対外輸出が増加し始めた。
4 インド,中国からの原綿の輸入が増加し,農村の綿花生産は減少した。
5 製糸業は農家の家内工業として発達し,農村に莫大な収入をもたらした。
赤本の解答は2となっていますが、これは誤文でしょうか?
正文だと思います。
なぜなら、地租改正後の小作人生産米の配分についてのグラフ
からわかるとおり、
米価の上昇に伴って小作料は高くなったからです。
それに対して、5はどうして正文なのでしょう?
明治時代の製糸業は「農村家内工業」として発達したのでしょうか?
いやいや、すでに幕末の段階で、
工場制手工業(マニュファクチュア)になってますよ。
農村家内工業なんて段階はとっくに過ぎてます。
……まだ僕の説明が信じられない人がいるでしょうね?
それなら、三省堂の教科書を引用しておきます。
産業革命の説明のところにこうあります。
「器械製糸は木製・半木製の器械を用い、マニュファクチュア生産された」
どうでしょうか?
これは非常に法政大らしい問題なのですが、
どこがどう「法政大らしい」のかは伏せさせていただきます。
どちらにしても正しい情報の中で受験勉強に励んでください。
マチガイだらけの受験情報に囲まれていませんか?