高得点が当然の人

さて、以前に紹介したSさんから相談メールが届きました。
講習だけのおつきあいの方で、
07年の早稲田入試で日本史満点を取った、例のSさんです。
Sさんのすごさは過去の記事をごらんください。

<Sさん>
(前略)先生にアドバイスを頂いた通りのまとめ勉強を致しましたら、だんだん正答率が上がって参りました!先日解きました上智大学の過去問では、全体で二問間違いと言う奇跡が起きました。さすがにマグレですが(笑)でも、間違いが少なければ少ない程、一つの間違いに対する悔しさが増えますね。なんだかいつも以上に不快な気分になりました…。
そして最後に、相談です。冬期講習ではなんとかやりくりをして石黒先生の授業を受講したいと考えております。そこで、普段触れることの出来ないテーマ史に浸かることの出来る総合日本史演習(発展)か、難関私大の厳しさに触れ精神的に多大なダメージを受けることの出来る早慶大日本史かで揺れています。ちなみに参考にならないと思いますが、私立は上智(外国語)、早稲田(文)、立教(文)あたりを中心に狙っております。個人的には早慶大日本史でショック療法を行う方が私立合格には結びつくのかなぁ、と思っておりますが、いかがでしょうか。アドバイスいただけたら嬉しいです。
それでは、長々と失礼致しました。季節の変わり目です。どうぞご自愛下さいね。

<石黒>
> 先生にアドバイスを頂いた通りのまとめ勉強を致しましたら、だんだん正答率が上がって参りました!
それはよかったです。
Sさんならたぶんまとめを作ること自体も素速くできるでしょうから、
うまくいったのでしょう。
誰にでも勧められる学習法ではありません。

> 先日解きました上智大学の過去問では、全体で二問間違いと言う奇跡が起きました。さすがにマグレですが(笑)
いや、早稲田で満点を取った人が言う言葉ではありませんよ。
上智は年度によって難易度にばらつきがありますが、
さすがとしか言いようがありません。

> なんだかいつも以上に不快な気分になりました…。
大笑いしました。そんな人いませんってば。

> そして最後に、相談です。
非常に悩ましい問題です。
河合塾のテーマ史では、
経済史(資本主義発達史)の講義が中心になります。
外交史、沖縄・北海道史、女性史は、
まとめプリントを利用して
つまみ食い的にたどるハイスピード講義です。
これらのテーマに不安感があればお勧めします。
しかし、Sさんに弱点などあるのだろうか? 正直疑問に感じます。
一方、早慶大日本史では、
早慶の難問を解くプロセスをお見せすることになりますが、
後は、早慶の過去問から厳選した
ぜひ解いておきたい問題を用意するので、
一見難問に見えて、実は正解したい問題たちに触れることができます。
ただしこちらも、
Sさんにそれが必要だろうかという疑問はあるのです。
何しろ07年入試でこれ以上ない高得点が取れているのですから。
今度も英国で大失敗しなければ、
まず合格ラインは超えられるでしょう。
もっとも、また早稲田で大隈を取りたいというなら別ですが。

こんなことを講師が言うのはどうかと思いますが、
「神の領域」に近いところに来ているSさんに、
十分満足してもらう授業を提供するのはなかなか難しいです。
本命の東大対策を万全にしてください。
昨年の冬に取らなかった方を取るというのが、
単純ですが損をしない良い選択法かもしれません。

<Sさん>
返信ありがとうございます。この夏は日本史にあまり重きを置けなかったので上智での二問ミスはびっくりしましたが、そこまで難しくはなかったと思います。勿論英国地歴トータルでの入試なので日本史で満点を取る必要はありません。でも、ミスした問題が解けるべき問題だと感じたのですごく悔しくなってしまいました。
はっきり言って早慶大をはじめとする難関大の入試は、たしかに難しいけれども出来なくていい問題というのは殆ど無いように感じました。ただ、それが難しいのですよね。
そう考えると、早慶大日本史に特に心惹かれます。テーマ史も気になりますが、そこまで苦手意識も無いので、自力で何とかしてみようと思います。様々な国立のテーマ史的な内容を書かせる論述に触れる機会があり、ある程度骨組みを習得出来ているからなのか、テーマ史問題は嫌いではありません。自分の言葉でしっかり説明していくことで理解に繋がったのかもしれませんね。
そう言った面で、論述はしゃべり学習に近いのかなあ、と思いました。
冬期の早慶大日本史、よろしくお願いします。きっと人数が多い教室なので見つけて頂けないと思いますが、お会い出来るのが楽しみです。すべての科目に不安要素があるため、英語などに比べ日本史に時間をかけられなかったりしますが、なんとか食らいついていきたいです。

やはりさすがですね。
「難しいけれども出来なくていい問題というのは殆ど無いように感じました。」
なんて言葉、普通、出てきませんよ。
「7割取れれば受かる」
なんて考えている人とはレベルが違いすぎます。
どんな世界でもそうですが、
「これくらいできて当然だろ!」
ってレベルが高い人たちの中にいると、
自然と自分のレベルも引き上げられていきます。
家族全員が高学歴なんておうちがありますが、
まさに「それが当然だから」っていう理由がからんでいるはずです。
お兄さんやお姉さんがスゴイ人だと、その弟や妹はトクします。
ちなみに、これは同性間の方がうまくいくみたいですね。
兄→弟 もしくは 姉→妹
ってパターンが良いという意味です。
兄→妹 もしくは 姉→弟
だと、どうしても甘やかしてしまうところがあるようで、
「できて当然!」のレベルが下がってしまうんです。

さて、そんなハイレベルな環境にない場合は
どうすればいいのでしょう?
よーく考えてください。
世の中にお金持ちが少ないように、頭の良い人も少ないものなのです。
だから、大半の人は低いレベルの世界の中に身を置いているんです。
今、これを読んでいる方のほとんどはそこにいるはずです。
だから周りに染まったら、もう終わりなんです。
ちゃんとジブンの意志を貫かなければ
‘高み’には到達できないんです。
相当に強い意志がなければならないことに気づくでしょうか?

でるとこサイトやこのブログでは、
そうした‘高み’をめざす人たちを、強く応援しています。