授業を聞き取ることの難しさ

「聴くだけ日本史」CD版発売しました!

予備校の生授業やderutoko.comの映像授業では、
かぎられた時間内にできるだけ濃い内容を伝えたいと考えています。
そうすると受ける側の生徒の能力いかんで、
すべてを吸収しきれないという人が出てきます。
学校の授業や、独自の予習などで下地ができていればいいのですが、
そうでない場合には、
板書を写すだけでいっぱいいっぱいになってしまうんです。

今日はそんな悩み相談です。

<Kさん>
質問なんですが、どうしても先生が『しゃべるだけ』の部分を聞き逃してしまいます。前回の授業から録音とメモを取るようにしているのですが、それまでの授業で先生がしゃべったことをワセヨビのDVDで確認したほうがいいのでしょうか?自分に時間があればやろうと思うんですが、なにせ部活で授業に出るのがやっとなんで・・・
あと、いい席、悪い席なんですが、やっぱり前のほうの席の方がいいんですか?

<石黒>
聞き逃しについては、集中力や意識の問題でしょう。
一度も学習したことのない範囲については
『読むだけ日本史』を読んで、
日本史用語に慣れておくことをお勧めします。
これまでの授業の分は、
DVDを見直すよりも、ノート覚えをする方が優先です。
部活で忙しいというのなら、
ノート覚えもままならない、という状況に陥ってはいないでしょうか?
僕が口でしゃべるだけの話も、
隅から隅まで吸収してほしいところですが、
一番の基本はノートに書いてあることです。
細かいことにとらわれずに、
全体を見渡して優先順位を考えるようにしましょう。
また、座席については必ずしも前の席がいいとはかぎりません。
黒板の見やすい方がベターですが、
これまた意識が高ければ自然と良い席を選ぶものですから。

ちなみに、このしゃべるだけの部分をどれだけ習得できていたかで、
ひねった問題が解けるかどうかが変わってきます。
そうです。
よく授業で言うところの、
「ノートのコピーを持っているだけじゃ点数は出ない!」
ってヤツです。
授業の話を聴いていなければ、
ノートのコピーを持っているだけの人と同じなんです。
そして、そのヤバさに気づくのは、夏期講習であることが多いんです。
なぜなら、一見難しそうに見える問題を、
いとも簡単問題であるように、僕が生解説してしまうからです。
早慶大向けの講習の場合は、ハイレベル問題をたくさん解きますから、
それらを一斉にマルする音が、教室に響くことがあります。
その時に自分だけが間違っていた時には……、冷や汗モノでしょうね。
実際、青ざめている受講生が毎年います。

同じ授業を受けて、
なぜアイツは正解できて、自分は正解できないのか、
それをまざまざと見せつけられると、自分の甘さがわかります。
ワセヨビの場合は、月1回の校内模試もいい機会ですね。
もっとも、「自分はどうせダメだから……」
って人には役に立ちません。
志の高い人は、ぜひ高得点をめざしてください。

ちなみに、他の予備校の方は簡単模試の結果で喜んだりせず、
過去問の点数を友達と競いあったり、
早慶大などの名前の付いた本気のハイレベル模試などで、
自分の甘さを知ってください。

ちなみに、‘受かる席’ってのが気になる人がいるかもしれませんが、
どのあたりの席が講師と板書を見やすいか……と考えると、
答えが出ます。
この時期になるとだんだん定位置ってのが決まってきますが、
座席指定の予備校でなければ、
いつもの席から変えてもいいかもしれませんよ。

追記 K君とのこのやりとりは、もうだいぶ前のことなんですが、その後、K君はしっかり受かる席をGETしていて驚きました。ぜひ本当に受かってもらいたいものです。